週刊『彰と朝陽』 ■しおりを挿む
もう朝?─朝陽
「……ん、うぅん」
ふっと意識が浮上して、オレは薄く目を開けた。
まず一番最初に浮かんだのは疑問。
だって、枕も布団もベッドも、家のじゃねーんだ。
でも、オレを抱き締めながら間抜け面で寝てんのは、どー見ても彰。
「? んん……?」
じゃあここはどこだ?
昨日はサファリで疲れたから、夜の記憶があんまりねーんだよな……。
「っ、あ!」
思い出した、ラブホだ!
バチッと完全に目覚めたオレは、彰の腕をすり抜けてベッドを降りた。
枕元に怪しーゴム、そしてなによりこの操作パネル!
完璧にラブホだな!
謎が解けたところで、思いっきり身体を伸ばしながら窓辺に向かう。
閉めきってたそれを開けたら、そこはやっぱりラブホ街だった。
昨日ケータイで撮ったビカビカしたネオンは、当たり前だけど消えてる。
それを眺めつつ小さい窓から太陽を浴びてると、漸く頭が冴えてきた。
てか、昨日はセックスしてねーんだよな。
オレも彰も眠気が限界で、部屋に入って軽くシャワー浴びたらすぐに寝てしまったんだ。
せっかく空いてる中で一番よさそーな部屋を選んだのに、もったいねー!
チェックアウトは昼過ぎだから、風呂でのセックスは早めにしねーと。
他に、彰とゲームもしてみてーし、ベッドの横にあるマッサージ機もやりてーし、忙しーんだ。
窓を閉めたオレは、でっかいテレビの電源を入れてベッドに飛び乗った。
「あきらっ」
「…………ん」
「早く起きろ。ヤるぞ」
「ねむ……い。寝、よ……。朝陽、しゃん」
「ダメだ! ここは家じゃねーんだぞ、制限時間があるんだぞ」
「う……んん。やらぁ」
「チッ、情けねーな!」
こーなったら強行するしかねー。
布団を剥いでバスローブをはだけたら彰のボクパンを全力で引き抜く。
一人前に朝勃ちしてやがるそれを口に含んだら、彰の引き締まった内腿が軽く痙攣しだした。
「うあぁっ」
「っん」
間抜けが起きやがった。
「あ、朝陽さん!?」
「おふぁ」
「うん、おはよう。……じゃなくて!」
よくやる起こし方なのに、相変わらずうるせー奴だ。
オレは手っ取り早く彰を黙らせるために、ほっぺの内側に先端を擦り付けるよーにしてやった。
そしたら、すぐに低い呻き声に変わった。
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