TRUST

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ご主人様と俺(side 彰)

□お引っ越しの前に


 朝陽さんの部屋行ったら、女の子座りってやつして鞄に服詰めてた。


「朝陽さん、身体やらかいんだね」

「ん、まーな」

「俺、手伝う?」

「当たり前」

「何やればい?」

「…………………」

「俺ダメ犬だから命令してー」

「キス」

「なに、」

「してみせろ」

「ん」


 ガキが初めてキスするみたいな雰囲気だ。

 心臓うるせーよさっきから。殺す気か。

 恥ずかしいから一瞬で終わらせた。


「よし」

「合格?」

「うん、お前大型犬なのに」

「説明ぷりーず」

「犬っぽいのはオレの好みじゃない」

「マジで」

「うん。でもキスしたら嬉しかったから」

「から?」

「……………好きだ」

「俺も好き、朝陽さん」

「………早く手伝え、バカ!」

「え、デレ期超短くね?」

「あーうるせー犬」

「ひでぇ」


 でっかい鞄投げつけられたから、手当たり次第に物詰めた。

 布団どうしようか迷ってる朝陽さんに、一緒に寝ればいいしっつったら殴られた。

 朝陽さんは鬼嫁だな。



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