週刊『彰と朝陽』

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嫉妬─彰



 わかってる。

 過去に嫉妬してもしかたないって。

 中学ん時は当然、去年も俺と出会う前の出来事だし。

 しかも去年はちゃんと避けてくれてる。

 でも……でも、ムカムカするんだ。

 朝陽さんが俺以外の奴のことを考えるなんて嫌だ。

 俺は腕の中の朝陽さんを力一杯抱き締めた。

 すると、朝陽さんが軽く身を捩って首だけで振り向いた。


「彰」

「なーに、朝陽さん」

「オレはお前のだから」

「!」

「心配すんな」

「うん……」

「それより彰のが心配だ」

「俺が?」

「ん。彰は女にモテるからな」


 は?

 それこそ心配する必要、まったくないのに!

 もしかして、嫉妬してくれてる?


「アオミドロなんて興味ないから」

「お前に興味がなくても、あっちが興味津々だろ」

「関係ないよ! 俺は朝陽さんしかいらないし」

「……そか」

「てか、朝陽さんを連れていきたいぐらいだよ。だって俺、成人式には紅白まんじゅうをもらうためだけに行くんだし」

「? なんだそれ」

「ホントは朝陽さんと一緒にいたいから、サボるつもりだった」

「マジで言ってんのか?」

「そーだよ」


 頷いたら、朝陽さんの顔が一気に赤くなった。

 慌てて正面を向いて俯いてしまったけど、耳まで広がった熱は易々と収まらないからバレバレだ。

 ……なにこれ。

 もしかして、気付いてなかったとか?


「そ、んな。お前……バカだろっ」

「どーして?」

「久し振りに会えるダチよりオレとか!」

「俺はいつでも朝陽さんが一番だよ」

「ん……そか」


 朝陽さんの耳がますます赤くなった。

 煮詰めて真っ赤になったイチゴジャムぐらい、赤くなってる。

 俺はそんな可愛すぎる耳に唇を寄せて、食べたいのを我慢しながら囁く。


「てか朝陽さん、さっき嫉妬してくれたんだよね?」

「べ、別にしてねー。彰はどーせ、オレしか、見てねーし……」

「うん、朝陽さんしか見てない。……かわいー朝陽さんだけ」

「可愛くな、っあ」


 クリスマスプレゼントのピアスごと舐めてみたら、腕の中の身体が微かに震えた。


「好き。大好きだよ、朝陽さん」

「な、なにいきなり発情してやが……っんぅ」


 ……いただきます。



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