週刊『彰と朝陽』 ■しおりを挿む
鼻血出てるぞ─朝陽
彰の指がオレのナカでバラバラに動いてる。
その動きでローションがかき混ぜられて、すげーやらしー音が部屋に響く。
今日はオレ……初めて完全受け身になってるな。
そろそろ反撃してーとこだけど、彰が幸せそーだからなかなか踏み出せねー。
彰に任せてて気持ちいーっていうのも、あるけど。
「あっん、あ、あきら……」
オレは腕を伸ばして、下の方で踞ってる彰の肩に触れた。
「どーしたの、朝陽さん」
すると、ナカの指はそのままだけど、彰が素直にオレのとこに来てくれる。
よし、ここで突き飛ばして彰をベッドに捩じ伏せた後、オレが上に。
……と行きたいとこだけど、オレはまずその首に腕を絡めて引き寄せて、彰にキスしてやった。
別にキスなら突き飛ばしてからでもいーのに、何故かこのままでしたくなったんだ。
なんか今日のオレはおかしーな。
彰と久し振りに会ったから?
「っはぁ……朝陽、さん」
ダメだ!
オレ、もー無理だ!
「彰、彰っ」
「なーに」
「……い、挿れ……挿れてっ」
「え」
「お、ねが……」
「朝陽さん……!」
「……っ」
彰は興奮した様子で、オレの唇を塞いできた。
そのまま指を抜いて先端をあてがわれると、早く挿れてほしくて入口が誘うよーに収縮する。
やっぱり今日のオレは、どーかしてる!
いつも通り彰を押し倒して自分で挿れて、好きに動く方が気持ちいーのに。
でも、挿れてほしーんだ。
彰に……あ、愛されたいんだ。
「朝陽さん……愛してる」
囁かれて、オレは恥ずかしさのあまり伏せていた目蓋を、ゆっくりと上げた。
挿れられる瞬間は、彰の顔を見て……。
「! あ、彰……?」
「え?」
彰が、両方の鼻の穴から、赤い筋を垂らしてやがる。
いわゆる“鼻血”だ……な。
「朝陽さん?」
でもこのムードで言うのは、さすがのオレでも躊躇う。
それに、これでもオレは萎えてねー。
どんなに間抜けで情けねー彰でも、今すぐ欲しくて堪らねーんだ。
「なんでもねーよ。早く、彰……」
オレは赤い液体を見なかったことにして、彰に抱き付いた。
後から彰がヘコみそーだけど、キスでなぐさめてやればいーだろ。
-END-
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