週刊『彰と朝陽』

しおりを挿む
鼻血出てるぞ─朝陽



 彰の指がオレのナカでバラバラに動いてる。

 その動きでローションがかき混ぜられて、すげーやらしー音が部屋に響く。

 今日はオレ……初めて完全受け身になってるな。

 そろそろ反撃してーとこだけど、彰が幸せそーだからなかなか踏み出せねー。

 彰に任せてて気持ちいーっていうのも、あるけど。


「あっん、あ、あきら……」


 オレは腕を伸ばして、下の方で踞ってる彰の肩に触れた。


「どーしたの、朝陽さん」


 すると、ナカの指はそのままだけど、彰が素直にオレのとこに来てくれる。

 よし、ここで突き飛ばして彰をベッドに捩じ伏せた後、オレが上に。

 ……と行きたいとこだけど、オレはまずその首に腕を絡めて引き寄せて、彰にキスしてやった。

 別にキスなら突き飛ばしてからでもいーのに、何故かこのままでしたくなったんだ。

 なんか今日のオレはおかしーな。

 彰と久し振りに会ったから?


「っはぁ……朝陽、さん」


 ダメだ!

 オレ、もー無理だ!


「彰、彰っ」

「なーに」

「……い、挿れ……挿れてっ」

「え」

「お、ねが……」

「朝陽さん……!」

「……っ」


 彰は興奮した様子で、オレの唇を塞いできた。

 そのまま指を抜いて先端をあてがわれると、早く挿れてほしくて入口が誘うよーに収縮する。

 やっぱり今日のオレは、どーかしてる!

 いつも通り彰を押し倒して自分で挿れて、好きに動く方が気持ちいーのに。

 でも、挿れてほしーんだ。

 彰に……あ、愛されたいんだ。


「朝陽さん……愛してる」


 囁かれて、オレは恥ずかしさのあまり伏せていた目蓋を、ゆっくりと上げた。

 挿れられる瞬間は、彰の顔を見て……。


「! あ、彰……?」

「え?」


 彰が、両方の鼻の穴から、赤い筋を垂らしてやがる。

 いわゆる“鼻血”だ……な。


「朝陽さん?」


 でもこのムードで言うのは、さすがのオレでも躊躇う。

 それに、これでもオレは萎えてねー。

 どんなに間抜けで情けねー彰でも、今すぐ欲しくて堪らねーんだ。


「なんでもねーよ。早く、彰……」


 オレは赤い液体を見なかったことにして、彰に抱き付いた。

 後から彰がヘコみそーだけど、キスでなぐさめてやればいーだろ。


 -END-



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