TRUST

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ご主人様と俺(side 彰)

□お見送り


「彰。お、おは」


 起きたら、朝陽さんが俺の腕の中で上目遣いで俺のこと見つめてるから何事かと思った。


「朝陽さん、誘ってんの?」

「バッカ、そんなんじゃねー!
 お前の腕の力強ぇから抜け出せねーで、それで。
 って、押し付けてくんなバカ、エロ彰!」

「あ、ごめん、生理現象」

「わかってるから押し付けんなッ」

「なに、俺に抱かれたくなっちゃう?」

「…………………」


 あ、寝起きヤバい。地雷踏んじゃった。

 頭働かないからって言い訳になんないか。

 殴って朝陽さん。俺マゾじゃないけど。それで許して。


「ま、まだお前に抱かれてやらねー!」

「え」


 朝陽さんは、シャワー浴びてくるってベッドから降りてった。

 てか、まだってなによ。いつかは抱かれてくれんの?

 って、俺が朝陽さん抱きたいの前提?

 いや抱きたくないわけじゃないけど。

 なんで抱きたくないわけじゃないんだか。

 わかってる、昨日のいつかから。

 ……あー…俺は確実に昨日の朝の俺ではありません。

 えらく進行度の早い病気か、発見が遅れたか。

 やっかいな病だな、これ。


◆ ◆ ◆


「じゃ、オレ行ってくっから」

「俺いてもいいの」

「ん、荷物運ぶの手伝え」


 あ、あれやっぱ現実だったんだ。


「喜んで」

「戸締まりしとけよ」

「…朝陽さん」

「なに」

「なんかあったらすぐケータイ鳴らしてよ、飛んでくし」

「おう」

「危ないと思ったら逃げろよ」

「んな危険なことねぇから」

「心配性でごめん」

「彰なら許す」

「うわ、超うれしい」

「じゃーな」

「いってきますのチューは?」

「ばっ…なんだよそれ」

「あ、朝陽さんツンだな」

「なんだよツンって」

「で、チューは?」

「っまだしねー!」

「いつかの楽しみに取っとくか」

「言ってろバカ」

「あい、いってらっしゃい」

「…いってきます」


 密かに超ドキドキしながらやりとりしてました、はい。



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