TRUST ■しおりを挿む
ご主人様と俺(side 彰)
□一緒に寝よう
「…お前、何ソファで寝てんの」
「えー床はやだ」
「ちげーよ、ベッド来いよ」
「え」
「セミダブルだし、さ。オレ細ぇから、んなに狭くないだろ。 ソファは身体痛くなるからダメだ」
「あ…うん、ありがと」
シャワーから出てきた朝陽さんが半裸でベッド来いよとか言うから、俺超焦ったのに、普通に心配してくれてるだけだった。
でも、いざベッド行ったら照れるんだからずるいわ。
俺うるさい心臓バレないように必死だったのに、ベッド入ったとたん真っ赤になるなんてないわ。
「う、腕枕なんてお前っ」
「朝陽さんの枕は俺が借りちゃったから。俺のも借りてよ」
「でも、でもオレの頭重いしっ」
「よく膝枕してるから知ってる」
「…あ…う、そう、だな」
「ほら、早くこっち来いって」
「ん、わ、わかった」
腕に頭乗せさせてから、肘曲げて抱き寄せてみた。
心臓? あぁヤバいけど、朝陽さんもだろ。
どっちのかなんてわかんないよたぶん。
「あー朝陽さん、細いのに抱き心地いいね」
「だ、だろ。極上素材でできてっから」
「ん、朝陽さんが俺の腕ん中いたら安心する」
「彰っ」
「なーに」
「お、オレ、このアパート出よ、かな」
「なんでー?」
「ここ、タツヤのアパートだし」
「うん」
「タツヤ…別れたら、オレ、居らんないし」
「あ? 別れんの?」
眠気半分飛んだ。
「ん、明日会えたら言おーかなって」
「…なんでまた」
理由。関係あんの、俺。あるよね。
「ま、まだ、秘密。別れたら言う。 てか、オレ別れたら宿無しになるな」
「別れたら俺のとこおいで」
「…ん、オレ幸せもんだな」
「そりゃよかった」
ぽんぽん背中叩いてやってたら、すぐに朝陽さんの寝息が聞こえてきた。
緊張して寝れるか心配だったけど、知らん間に俺も寝てた。
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