週刊『彰と朝陽』

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一緒にいるだけで─朝陽



 魔王は、すげー美味くて柔らけー肉を食わせてくれた。

 デザートにプリンもあったしサイコーだ!

 今日みてーな魔王ならいつでも歓迎してやるって言ったら、ニヤニヤして喜んでた。

 その魔王が帰った途端、彰がオレに手招きした。

 今から洗い物でもしよーと思ってたのに。


「朝陽さん、ここにおいで」

「座椅子か!?」

「うん。こたつでしたら、すげぇ気持ちいーよ、きっと」

「でも彰はまだ怪我が」

「大丈夫。膝は立てないから」

「ん……」

「朝陽さんにくっつきたいんだ。お願い」


 膝を立てねーなら足に負担はかからねーし、いーかな。

 実はオレも彰にくっつきたかったから、すげー嬉しー。

 そー思いながらこたつと彰の間に入って腰を下ろしたら、彰が後ろから腹に腕を回してきた。

 すると、布団と彰に包み込まれてる感じになる。


「あったかい?」

「ん。身体全部あったけー!」

「こーやってテレビ見たら、気持ちよさそーだね」

「そーだな! やっぱ冬はこたつだ。魔王サンタのおかげだな!」

「……そのことなんだけど」

「なんだ?」

「こたつ……やっぱり返す」

「は? なに言ってんだお前」

「だって大翔が朝陽さんのサンタなんて嫌だし。俺が買い直してサンタになる」


 大バカかこいつは。

 どーせオレが喜んでたからとかで、魔王に嫉妬してるんだろーけど。

 しかたねー奴だな。


「彰はオレのなんだ」

「……恋人?」

「ん。恋人は、一緒にいるだけで嬉しーもんなんだぞ。でも彰はそれ辞めて、プレゼント持ってくるだけのジジイになりてーんだな」

「……違う、辞めたりしない! ごめん、朝陽さん」


 大バカが余ってる力を総動員させて、ぎゅーぎゅー抱き締めてきた。

 ちょっと苦しーけど、何故か心地よく感じる。

 さっきの台詞が恥ずかしくなってきたオレは、そんな彰の太股を軽く殴ってやった。


「まぁ彰はバカだから、サンタ適性検査に合格できねーけどな!」

「そんなのあるの?」

「当たり前だろ。確か今年の倍率は二万五千倍だ」

「マジで! それは難しーね」

「だ、だから……彰はおとなしくオレと一緒にいろ」

「うん。大好き朝陽さん」

「ん」


 頭だけ動かしてキスしてやったら、彰がすかさず舌を入れてきた。

 セックスは片付けてからにしよーと思ってたのに。


「ん……ごめん朝陽さん。我慢できない」


 ……今は冬だし、片付けは明日の朝でもいっか。


 -END-



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