週刊『彰と朝陽』 ■しおりを挿む
却下!─彰
「朝陽さん。さすがにそこは自分で拭くから、タオル貸して」
「ダメだ」
「………………」
何回目の却下だろう。
まず顔から始まって、腕や腋の下やヘソも却下されたから五回目?
俺は、せっせとタオルを絞る朝陽さんを見ながら、軽く溜め息を吐いた。
うれしーんだよ、朝陽さんが身体を拭いてくれるなんて。
でも、最低股間の世話ぐらいは自分でしたい。
とは言っても、朝陽さんに『拭いてやりてーんだ』って目で訴えられたら強く言えない……。
「脱がすぞっ」
「う、うん……」
「なに恥ずかしがってんだ。何回も彰にフェラしてるんだから今更だろ」
「いや、でもね朝陽さん」
「うるせー黙れ」
「ハイ……」
それとこれとは別じゃん?
なんか恥ずかしーっていうか、情けないっていうか……。
朝陽さんは慣れた手つきで俺のボクサーパンツを脱がせて、ほかほかと湯気の上がるタオルをほぐしだした。
「まず周りから拭くからな」
「………………」
「気持ちいーか?」
「……うん。タオルがあったかい」
「ん」
満足げに笑う朝陽さん。
かわいーけど、恥ずかしくて笑顔を堪能できねぇ。
だって好きな人にあそこ拭かれてんだよ?
おもむろに「持ち上げるぞ」とか言ってきて、裏まで拭いてくれるんだよ?
マジでヤバいってこれ。
変な気分になりそーでキツい。
てか、すでになってるし。
「軽く勃ってきたな」
「うぅ」
「感じたのか?」
「我慢はしてたんだけど……」
「オレも我慢してた」
「朝陽さんも!?」
「ん。さっきキスした時、舌入れたらセックスしたくなるから我慢してた。でも意味なかったな」
「ごめんね」
「気にするな。セックスするか?」
「いーの?」
「彰もオレもしてーんなら、我慢する理由はねーだろ」
「うん! 朝陽さん超好き」
俺、これで捻挫はたいしたことないって証明してみせる。
朝陽さんが、俺の怪我を気にしなくてよくなるよーに。
「彰はそのまま動くなよ」
「うん。でも下から思いっきり」
「ダメだ!」
「え……」
「でも、その分オレが動くから心配するな」
朝陽さんはニコッと笑って、服を脱ぎだした。
-END-
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