週刊『彰と朝陽』 ■しおりを挿む
もう大丈夫だよ─朝陽
魔王に電話したら、すぐにシップ持って様子を見にきてくれた。
触診した感じでは骨は折れてねーらしーから、やっぱり病院は明日だって。
一介の皮膚科医だけど、顔が真剣だったから信用してやることにした。
その後、ご飯はまだだって言ったらかき揚げ丼の仕上げもしてくれた。
彰が揚げたかき揚げをご飯に乗せて、温めた天つゆをかけただけだけど。
あ、でもついでに玄関の電球も替えてくれたな。
変態だけど面倒見はいい奴だ。
「朝陽、彰を頼むな」
「ん。来てくれてサンキュ」
「あんまり気にすんなよ」
「でも……」
「大丈夫だって。すぐ治るし」
「オレ、彰が治るまでがんばって世話する」
「いいなー彰の奴。もし俺が怪我し」
「しねーぞ」
「そ、そっか。彰以外には見向きもしない朝陽は、魅力的だなぁ」
「だろ」
「じゃあ、お兄さんはそろそろ帰るわ。また明日、落ち着いたら診断結果知らせろよ」
「わかった!」
魔王も彰が心配なんだな。
でも、オレの方が心配してる。
オレは玄関の戸締まりを済ませて、素早くリビングに戻った。
「あきらっ」
「大翔は帰った?」
「ん。てか、まだ熱もってるな……。痛いか?」
「もー大丈夫だよ」
「ホントか!?」
「うん。朝陽さんがすぐに冷やしてくれたし、鎮痛剤飲んだから痛みがだいぶマシになった」
「そか……。風呂はダメだから、後で身体を拭いてやる」
「いーの!?」
「彰は、じっとしてればいー」
「ありがと……」
世話されるのに慣れてねーからか、彰は恥ずかしそーに目元を赤くしてやがる。
オレのせいで怪我したんだから、偉そーにこき使ってもいーのに。
でも、こんな彰だから好きだ。
オレは彰のエプロンを脱がせて自分に着けながら、キスしてやった。
セックスしたくなったら困るから、舌を入れるのは我慢した。
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