TRUST ■しおりを挿む
ご主人様と俺(side 彰)
□意識しちゃいました
てかいきなり何なんだろ、この雰囲気。
昨日焼肉食ったときは普通に愛を語らったよな。
今朝もたぶん、普通だった。
じゃあタツヤとの一件から?
「お前三ツ矢でいーよな」
「俺の好物知ってたんだ」
「いつもトートに入れてんじゃん」
「そういうの愛感じるー」
…あ。やべ、今禁句だって意識したのについポロッと。
やっぱり、真っ赤になってる。
「そ、そんなんじゃねーから!とりあえず行ってくるし!」
「あ、あぁ、うん。気ぃつけてね」
どうする俺、伝染した。
てか朝陽さんツンデレ? 可愛い、な。うん。
え、待って。俺さっきから朝陽さん可愛く見えすぎてない?
朝陽さんがなんとなく変わったから?
それとも変わったのは俺? 両方?
◆ ◆ ◆
朝陽さんが帰ってきたらすぐにピザも来た。
二人で床に座ってパーティーした。楽しい。
いつもやってんのに、食わせ合いっこになんか照れを感じた。
「彰、先シャワー浴びてこい」
「あ、でも替えのパンティ持ってないよボク」
「バッカ、さっきついでに買ってきた」
「サンキュー、朝陽さん絶対いい嫁になるわ」
「……欲しく、なった?」
ドキッてした。心臓。
「…うん、朝陽さんがなってくれんならね」
ドキドキしたまま、変にマジ声で言ってしまった。
「も、貰われてやっても、いーよ…」
「ありがと。一生幸せにする」
心臓ありえない。
って、何二人して真っ赤になってんの。
「じゃ、さ、お先にシャワー借りる。ね」
「お、おう。傷あんま濡らすなよ」
目合わせらんないまま、俺はユニットバスに向かった。
シャワー出てきたら朝陽さんがうとうと船漕いでた。
強引に起こしてシャワー行かせてから、俺はソファに寝っ転がった。
マジであれからおかしいのを考えないと。
朝陽さんがあんなになってるの、俺に惚れてるように見えるからヤバい。
タツヤがいんのにないしな。
俺の目がおかしくなったかな。
寝て明日になったらなんでもなくなってたらいいな。
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