週刊『彰と朝陽』

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愛してる─朝陽



 タツヤにベルトを外された瞬間、オレは大泣きしてしまった。

 彰じゃねーと嫌だって、ガキが駄々捏ねるみてーに。

 キスを受け入れたくせに急に拒んだりして、サイテーだと思う。

 でもタツヤはオレを許してくれた上、相談にも乗ってくれた。

 彰に素直になれねー理由を訊いたら、タツヤは『好きな奴から愛情受けてビビってんだろ』って指摘してきた。

 確かにオレは、相手をずっと追っ掛けてばっかだった。

 好きになる奴は全員ノンケだったから、片想いのまま諦めるか、付き合えても女と浮気されるってオチ。

 背中追っ掛けて、すがって、たまに振り向いてもらえたらそれだけで幸せで。

 男しか好きになれねーから、それが当たり前だった。

 でも彰は最初からずっと、惜し気もなくオレに愛情を注いでくる。

 言葉にも行動にも表してくるから、すげー恥ずかしーんだ。

 今もオレのこと抱き締めながら、やたら囁いてくるし。


「朝陽さん、好き。大好き」

「ん……」

「俺のだからね、朝陽さんは」

「あきら、の」

「そーだよ。ずっと俺の」


 うれしーけど今は素直に受け入れられない。

 オレ、タツヤにキスさせたから。

 彰を裏切ってしまったから、ちゃんと話して謝らねーと……。


「彰。あの、オレ。タツヤに」

「あぁ、わかってるから忘れて」

「え……」

「お礼ならしといたからいーよ。だから忘れて。ってか忘れろ」

「う……ん。わかった」

「朝陽さんは俺としかキスしないでしょ?」

「ん。彰にしか、しねー」

「それでいーよ」


 彰は笑って、軽くキスをしてきた。

 ホントにいーのか……?

 てかオレ、本気で素直になるために、これからがんばるって決めたんだった。

 その第一歩として、今から彰に告白しよーと思う。


「彰」

「なーに、朝陽さん」


 で、呼んだはいーけどどーしよ。

 なんて言ったらいー?

 好き。大好き。……愛してる。

 ん、やっぱ最後のやつか?


「あ」

「?」

「あい、あい……」

「おサルさん?」

「ばっ……ちげーよ!」

「ご、ごめん」

「何がおサルさんだ! バカ! 愛してるっつってんだ!」

「……!」

「あっ!」

「朝陽さん! 俺も超愛してる!」


 彰がすげー勢いで抱き付いてきた。

 オレはもっと厳かに言いたかったのに……。

 全部彰のせいだ!


「朝陽さん、もー離さないから」

「当たり前だ!」

「うん、好き。朝陽さんは?」

「うるせー自分で考えろ」

「え、さっきみたいに言ってよ」

「また今度な」

「ひでぇ」


 素直になれるのはまだ先だけど、この気持ちは、もー揺るがねーから。

 ずっと愛してる。

 オレは気持ちを込めて、彰にキスをした。


 -END-



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