週刊『彰と朝陽』

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やけ酒悪酔い─彰



 一気にジントニックを煽ったら、パチパチと拍手が起こった。

 てめぇらを盛り上げてんじゃねーぞって言いたくなるけど、生憎そんな元気はない。


「おい……。ヤケになんなよ」

「うるせーよ! どーせ俺なんか……!」


 朝陽さん、俺が合コンしても平気だって言ってた……。

 しかも、俺がベタベタしすぎだから、たまには一人になりたいって……。

 これはもう、呑まないとやってられねぇだろ。

 合コンだってのに、全然嫉妬してくれなかったし。

 朝陽さんはドライな性格だってわかってるけど、ヘコむ。

 あぁ、俺もドライな性格だったはずなのにな……。

 朝陽さんのことが好きすぎて狂っちゃったのかな。


「お前、朝陽さんに出会ってからマジで変わったな。まぁかわいーけどあの人」

「おい……俺はまだ学祭でのこと、許してねぇからな」

「あ、あれは脅かしただけだろ!」

「言い訳すんな。これからもっと増えるけど、今日の俺の分は全部払えよ」

「わかってるって。……ったく、独占欲強すぎだろ」

「なんか言ったかー!?」

「なんも言ってねーよ、酔っ払い!」


 悪酔いするから食いもんも腹に入れろ、と適当に盛り合わた小皿を俺に押し付けて、ダチ──橋田は席替えとか言いながらどっか行った。

 俺はアオミドロみてぇな女なんて興味ねぇから動かないけど。

 嫌でも隣に来るし。


「どうもー! 彰クンって呼んでもいい?」

「あ? 勝手にしろよ」

「うん、勝手にするぅ。アタシ、リナってゆーの」


 ベラベラ話し掛けてくる女を無視しながら、ひたすらヤケ酒を煽る。

 俺はマジで、朝陽さんにしか興味ねぇから。

 それをバカみたいに勘違いして、クールでかっこいーとか言ってきて笑える。

 てか眠くなってきたし、もう帰ろーかな。

 うぜーって言われてもいーから、朝陽さんといたい……。

 だって俺、朝陽さんが超好きなんだ。


「彰クン、寝ちゃう?」

「んー……朝陽しゃん……」

「アサヒ? 寝言なんてかわいー」


 クスクスと笑いながら、誰かが俺の背中を撫でてる。

 そのリズムが気持ちよくて、俺の意識はそこからぷっつりと途切れた。



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