週刊『彰と朝陽』 ■しおりを挿む
オレとお前の仲─朝陽
よくわかんねーけど、横で彰がやる気になってる。
なにをやる気になったのかはわかんねー。
それよりも、チヒロが女だったのがちょっとショックだった。
オレ、チヒロが女だって気付く前……小型犬と婚約関係って聞いたとき、すげードキドキした。
こいつらが婚約できんなら、オレと彰もできるって思って。
でも、やっぱ男同士で婚約なんか無理なんだよな。
そもそも日本じゃ結婚できねーし。
オレは辺りを見渡して、人気がねーことを確認してから彰の間抜け面を見上げた。
「彰」
「なーに、朝陽さん!」
「オレは彰のなに?」
「え」
「オレ、男だから……」
「朝陽さんは俺の太陽だよ」
「は?」
「太陽がないと、動物も植物も生きていけないでしょ。俺は朝陽さんがいないと生きていけない!」
「な、なんだよそれ」
ホント、なんだよそれ!
別に“恋人”とか“彼氏”とか……他に言いようあるだろ。
なんで生きていけないって話になるんだ。
てか、くせーんだよ!
「あっ! もしかして俺と朝陽さんの関係って話?」
「ん。でも、さっきの答えでいー」
「そう? てか、もし関係を語るなら一言では済ませたくないなぁ」
「そっか」
彰にとって、オレとの仲はそれだけ深くなってるんだな。
なんかすげー照れるけどうれしーな……。
彰と出逢えてよかった。
好みじゃねーけど、だからこそ気持ちが本物だって思える。
これからもっと深くなるといーな!
「朝陽さん、夜飯はレバニラ炒めでいー?」
「ん。スタミナ料理だな」
「鋭いね。さすが朝陽さん」
「当たり前だ。卵わかめスープなら作ってやる。あと、特別にあのエプロン着けてやる」
「マジで! じゃあスーパー寄ってから一緒に料理しよっか」
「わかった」
今夜はなんだか燃えそーだ。
明日も学校だけど、三回はやりてーな。
-END-
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