週刊『彰と朝陽』

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オレとお前の仲─朝陽



 よくわかんねーけど、横で彰がやる気になってる。

 なにをやる気になったのかはわかんねー。

 それよりも、チヒロが女だったのがちょっとショックだった。

 オレ、チヒロが女だって気付く前……小型犬と婚約関係って聞いたとき、すげードキドキした。

 こいつらが婚約できんなら、オレと彰もできるって思って。

 でも、やっぱ男同士で婚約なんか無理なんだよな。

 そもそも日本じゃ結婚できねーし。

 オレは辺りを見渡して、人気がねーことを確認してから彰の間抜け面を見上げた。


「彰」

「なーに、朝陽さん!」

「オレは彰のなに?」

「え」

「オレ、男だから……」

「朝陽さんは俺の太陽だよ」

「は?」

「太陽がないと、動物も植物も生きていけないでしょ。俺は朝陽さんがいないと生きていけない!」

「な、なんだよそれ」


 ホント、なんだよそれ!

 別に“恋人”とか“彼氏”とか……他に言いようあるだろ。

 なんで生きていけないって話になるんだ。

 てか、くせーんだよ!


「あっ! もしかして俺と朝陽さんの関係って話?」

「ん。でも、さっきの答えでいー」

「そう? てか、もし関係を語るなら一言では済ませたくないなぁ」

「そっか」


 彰にとって、オレとの仲はそれだけ深くなってるんだな。

 なんかすげー照れるけどうれしーな……。

 彰と出逢えてよかった。

 好みじゃねーけど、だからこそ気持ちが本物だって思える。

 これからもっと深くなるといーな!


「朝陽さん、夜飯はレバニラ炒めでいー?」

「ん。スタミナ料理だな」

「鋭いね。さすが朝陽さん」

「当たり前だ。卵わかめスープなら作ってやる。あと、特別にあのエプロン着けてやる」

「マジで! じゃあスーパー寄ってから一緒に料理しよっか」

「わかった」


 今夜はなんだか燃えそーだ。

 明日も学校だけど、三回はやりてーな。


 -END-



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