週刊『彰と朝陽』 ■しおりを挿む
女の子だったの!?─彰
ちくしょう!
なんで居眠りなんかしたんだ俺!
朝陽さんのSOSに気付くのが遅れた。
しかも、スズキマサオミに絡まれてるって内容のSOSだ。
いいかスズキマサオミ!
俺の朝陽さんになんかしたら、生まれてきたことを後悔させてやるからな!
「朝陽さん!」
例の膝枕スポットに到達して、俺はすぐに朝陽さんを呼んだ。
「あ、あきら……!」
「朝陽さん!?」
声がした方を見ると、朝陽さんが男に襲われてる!!
俺はすぐに朝陽さんの元に走って、朝陽さんに覆い被さる男を掴み上げた。
やたら綺麗な奴だけど、俺の朝陽さんに手を出したんだから容赦しねー。
「待て彰!」
「この野郎、俺の朝陽さんを襲うなんていい度胸だな」
「彰!」
「大丈夫だよ朝陽さん、俺が来たからね。こんな男、一発で沈めてあげる」
やべ、これ絶対朝陽さん惚れ直したな。
今夜は燃えるかも。
夜飯のメニューはレバニラ炒めに決定だ。
「待てっ……つってんだよ!」
「うぐッ」
レバニラ炒めの付け合わせを考えてたら、朝陽さんのミドルキックが俺の脇腹にヒットした。
「こいつは女だ!」
「おん、な……?」
「そーだ。それにオレは襲われてたわけじゃねー」
おんな…。女? 女の子!?
俺は胸ぐらを掴んでいた手の力をそっと緩めた。
「チヒロ!」
どこからかスズキマサオミが駆け寄ってきて、よろける女の子を支える。
やべぇな、あの子が落ち着いたら謝らないと。
「彰も大丈夫か? 蹴りがキツすぎたか」
ちょっと顔色が悪くなってたのか、朝陽さんが心配そうな顔で話しかけてきてくれた。
それだけで脇腹の痛みが吹っ飛ぶ。
「朝陽さん。俺は大丈夫だよ」
「そか。さっきはオレが口を滑らせたから、ちょっと問い詰められてただけなんだ」
「そーなんだ……。朝陽さんがなんともなくてよかった」
「ん。心配かけてごめんな」
「ううん。朝陽さん……大好き」
「ばっ、こんなとこで言うな!」
真っ赤になる朝陽さんが超かわいー。
朝陽さんを抱き締めたい衝動に駆られたけどなんとか抑えた。
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