週刊『彰と朝陽』

しおりを挿む
女の子だったの!?─彰



 ちくしょう!

 なんで居眠りなんかしたんだ俺!

 朝陽さんのSOSに気付くのが遅れた。

 しかも、スズキマサオミに絡まれてるって内容のSOSだ。

 いいかスズキマサオミ!

 俺の朝陽さんになんかしたら、生まれてきたことを後悔させてやるからな!


「朝陽さん!」


 例の膝枕スポットに到達して、俺はすぐに朝陽さんを呼んだ。


「あ、あきら……!」

「朝陽さん!?」


 声がした方を見ると、朝陽さんが男に襲われてる!!

 俺はすぐに朝陽さんの元に走って、朝陽さんに覆い被さる男を掴み上げた。

 やたら綺麗な奴だけど、俺の朝陽さんに手を出したんだから容赦しねー。


「待て彰!」

「この野郎、俺の朝陽さんを襲うなんていい度胸だな」

「彰!」

「大丈夫だよ朝陽さん、俺が来たからね。こんな男、一発で沈めてあげる」


 やべ、これ絶対朝陽さん惚れ直したな。

 今夜は燃えるかも。

 夜飯のメニューはレバニラ炒めに決定だ。


「待てっ……つってんだよ!」

「うぐッ」


 レバニラ炒めの付け合わせを考えてたら、朝陽さんのミドルキックが俺の脇腹にヒットした。


「こいつは女だ!」

「おん、な……?」

「そーだ。それにオレは襲われてたわけじゃねー」


 おんな…。女? 女の子!?

 俺は胸ぐらを掴んでいた手の力をそっと緩めた。


「チヒロ!」


 どこからかスズキマサオミが駆け寄ってきて、よろける女の子を支える。

 やべぇな、あの子が落ち着いたら謝らないと。


「彰も大丈夫か? 蹴りがキツすぎたか」


 ちょっと顔色が悪くなってたのか、朝陽さんが心配そうな顔で話しかけてきてくれた。

 それだけで脇腹の痛みが吹っ飛ぶ。


「朝陽さん。俺は大丈夫だよ」

「そか。さっきはオレが口を滑らせたから、ちょっと問い詰められてただけなんだ」

「そーなんだ……。朝陽さんがなんともなくてよかった」

「ん。心配かけてごめんな」

「ううん。朝陽さん……大好き」

「ばっ、こんなとこで言うな!」


 真っ赤になる朝陽さんが超かわいー。

 朝陽さんを抱き締めたい衝動に駆られたけどなんとか抑えた。



- 117/320 -

[≪prev | next≫]



 ←Series Top





「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -