週刊『彰と朝陽』

しおりを挿む
一緒にテレビ─朝陽



「おぉ」

「すげぇね」

「ん」


 オレは今、彰を座椅子にしてテレビ見てる。

 別にオレが座椅子になれとか言ったんじゃねーからな。

 彰が勝手にオレの座椅子になったんだからな。

 オレはクッション抱き込んで見るってスタイルが崩れねーならそれでいーから、自由にさせただけだ。

 ちなみに今やってるテレビは、お菓子工場の内偵だ!


「てか、あの切れ端はどーなるんだろね」

「社員に格安で売るのかもしれねーな」

「それ羨ましーね」

「工場に就職するか」

「ううん。俺はエリートになる」

「彰がエリート……」

「朝陽さんのために金持ちになる」

「オレのためってなんだ」

「嫁だから」

「ん。ま、そーだな」

「俺、朝陽さんを幸せにしたいんだ」

「そか」

「朝陽さんの幸せは俺の幸せだしね」

「じゃあオレ、あれ食いてー」


 オレはテレビ画面を指差した。

 ちょうどチョコのお菓子作ってる場面だ。

 すげー美味そうだ!


「え」

「チョコ。明日買ってほしーな」

「いーよ……」

「よし! 彰はいー男だな!」

「ちょ、待って」

「なんだ? オレが幸せなのに不服なのか」

「え、朝陽さんはチョコ買ったげたら幸せなわけ」

「ん」

「そっか……。それならいくらでも買ってあげる」

「マジか!」

「任せて」

「うれしーな」

「よかった。俺もうれしーよ」


 彰はホントにいー男だ。

 オレがなにか食いたくなったら、よく次の日に買ってきてくれるからな。

 だから、た、たまにはちゃんと気持ちを言葉にしてやってもいーよな。


「彰……」

「なーに、朝陽さん」

「す、す……すっ、好きだ……!」

「……っ……朝陽さん! 俺も大好き!」


 感激した彰が力の加減もしねーで抱き締めるから苦しーけど、特別に我慢してやることにした。



- 111/320 -

[≪prev | next≫]



 ←Series Top





人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -