週刊『彰と朝陽』

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心配顔─朝陽



 魔王がうぜーから頭撫でてやったら、彰が拗ねてベッドで寝始めた。

 マジで悲しそーな顔してたから、ちょっと心配だ。


「朝陽、俺の泣き顔にキュンとした?」

「別にしてねー」

「え」

「なんでオレが魔王にときめかなきゃなんねーんだ」

「朝陽がさっき、合格だって言ったんだろ」

「ホストはかわいーとこもある方が売れるだろ?」

「俺はホストじゃないし…」

「うるせー黙れ」

「ハイ。つか腹減らね?」

「減った!魔王が引越し蕎麦作るんだろ?」

「おうよ。俺の絶品蕎麦で惚れさせてやるから待ってろ」


 魔王は張り切って寝室を出てった。

 …じゃ、次はこっちだな。

 オレはベッドでゴロゴロしてやがる彰の上に飛び乗ってやった。


「彰っ」

「っぐ…!朝陽さん? いきなり飛び乗ったら危な…」

「こんなとこで寝てると、襲われるぞ」

「誰にだよ」

「オレに」

「…っ」


 無理やりキスして舌を捩じ込んだら、彰が調子に乗って絡めてきた。

 あんまり煽られたらセックスしたくなるから、適当なとこで止めねーと…。


「ふ…。朝陽さん、」

「元気出たか?」

「うん」

「よしよし」

「朝陽さんの“よしよし”は気持ちいー」

「当たり前だ」

「心配してくれてたんだね」

「ち、ちげーよ!暗い彰と蕎麦食ってもマズそーだから…」

「ありがと」

「勘違いすんじゃねー!」


 絶対わざとだ。

 彰は、オレがそんなの言えねーって知ってるはずだからな。


「朝陽さんの心配そうな顔見たら、すぐに元気になれた」

「そんな顔してねー……」


 彰のバカ。意地悪。

 恥ずかしーから、彰の首筋に熱くなった顔を埋めて隠した。


「あー!ごめん朝陽さん、虐めすぎた」

「ん」

「でもマジで嬉しかった」

「そか」

「朝陽さん大好き」

「……オレも」

「っ…!」

「鼻血出すなよ」

「大丈夫、コントロールでき…っやべぇ!」

「できてねーじゃねーか!」


 甘い感じの空気が台無しだ。

 彰はマジで耳鼻科行った方がいーと思う。



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