週刊『彰と朝陽』 ■しおりを挿む
心配顔─朝陽
魔王がうぜーから頭撫でてやったら、彰が拗ねてベッドで寝始めた。
マジで悲しそーな顔してたから、ちょっと心配だ。
「朝陽、俺の泣き顔にキュンとした?」
「別にしてねー」
「え」
「なんでオレが魔王にときめかなきゃなんねーんだ」
「朝陽がさっき、合格だって言ったんだろ」
「ホストはかわいーとこもある方が売れるだろ?」
「俺はホストじゃないし…」
「うるせー黙れ」
「ハイ。つか腹減らね?」
「減った!魔王が引越し蕎麦作るんだろ?」
「おうよ。俺の絶品蕎麦で惚れさせてやるから待ってろ」
魔王は張り切って寝室を出てった。
…じゃ、次はこっちだな。
オレはベッドでゴロゴロしてやがる彰の上に飛び乗ってやった。
「彰っ」
「っぐ…!朝陽さん? いきなり飛び乗ったら危な…」
「こんなとこで寝てると、襲われるぞ」
「誰にだよ」
「オレに」
「…っ」
無理やりキスして舌を捩じ込んだら、彰が調子に乗って絡めてきた。
あんまり煽られたらセックスしたくなるから、適当なとこで止めねーと…。
「ふ…。朝陽さん、」
「元気出たか?」
「うん」
「よしよし」
「朝陽さんの“よしよし”は気持ちいー」
「当たり前だ」
「心配してくれてたんだね」
「ち、ちげーよ!暗い彰と蕎麦食ってもマズそーだから…」
「ありがと」
「勘違いすんじゃねー!」
絶対わざとだ。
彰は、オレがそんなの言えねーって知ってるはずだからな。
「朝陽さんの心配そうな顔見たら、すぐに元気になれた」
「そんな顔してねー……」
彰のバカ。意地悪。
恥ずかしーから、彰の首筋に熱くなった顔を埋めて隠した。
「あー!ごめん朝陽さん、虐めすぎた」
「ん」
「でもマジで嬉しかった」
「そか」
「朝陽さん大好き」
「……オレも」
「っ…!」
「鼻血出すなよ」
「大丈夫、コントロールでき…っやべぇ!」
「できてねーじゃねーか!」
甘い感じの空気が台無しだ。
彰はマジで耳鼻科行った方がいーと思う。
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