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大型犬とオレ(side 朝陽)

□いざ魔王城へ


 翌朝、彰は飽きもせずにまたサンドイッチ買ってきた。


「彰って尽くすタイプなのな」

「え、なんでわかるの朝陽さん。エスパー?」

「すげーだろ、敬え」

「で、なんでわかったのか教えて」


 今日はノリ悪ぃな彰クン。


「お前、オレがサンドイッチ美味かったからまたなんか買ってきてっつったら毎日これじゃん」

「あ、ホントだ。飽きた?」

「んーん、別に美味いからいい」

「そっか、よかった」


 口に最後のハムレタスサンド突っ込まれる。もう朝の恒例行事だな、コレ。


「俺、朝陽さんの餌付けにハマったかも」

「履歴書の趣味欄書き換えとけよ」

「うわ、なんで俺がバイト探してんの知ってるかな」

「オレが彰マニアだから?」

「マジか。愛されちゃった」


 オレは彰のトートに入ってたアルバイト雑誌を捲りながらコーヒー啜った。


「オレもバイトしようかな」


 セフレいなくなったしヤることなくなったら夜暇だし。


「バイトすんなら一緒にしようよ」

「いーけど、んな都合よく二人とも雇ってくれるわけ?」

「やってみなきゃわかんない」

「そか、じゃあとりあえず白紙の履歴書あるなら寄越せ」

「ん、後で写真撮りにいこ」

「献血デートの後でな」

「さっすが朝陽さん、覚えてたんだ」

「バッカ、オレがお前とのデート忘れる奴に見えるか? 手帳にメモしてそれ抱き締めて眠ったっつの」

「手帳さん、ドコー」

「魔王にさらわれた」

「じゃあ助けに行かないと」

「うし、とりあえず書き終えた。助けに行こうぜ」


 魔王どこにいんだよ。献血ルームってことにするか。



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