TRUST

しおりを挿む
大型犬とオレ(side 朝陽)

□捨て犬一匹


 小型犬っつってもオレよりか背は高いしガタイもある。

 性格が小型犬っていうか。なんかオレの顔色窺ってビクビクしてるし。


「朝陽っ」


 ピンポン鳴らしたら、まさに小型犬みたいに飛び出してきた。

 熱烈歓迎ご苦労なことだ。


「…焼肉の匂い?」

「うん、さっきまで食ってた」

「だれと?」

「可愛い飼い犬と」

「僕とは行ってくれないのに?」

「あー…そうだっけ」


 てか彼氏でもないのにそーゆーのウザい。

 あ、オレ今女子高生っぽい。うぜー。

 とりあえずソファに座ったら、小型犬が組敷いてきた。


「朝陽、須磨とはセックスしてない?」

「うん」

「よかった」


 太ももに硬くて熱いものを押し付けられる。

 服はたくしあげられて、ぬろぬろと舐め回されてる。

 こいつのねちっこいセックスには慣れたはずなのに、気持ちよくなってこない。

 なかなか反応しないオレの中心に、奴は焦れたように手を突っ込んできた。

 ゆるゆるとしごかれるのに一向に反応しないオレ。

 一体どうした、オレ。


「朝陽、気持ちよくない?」


 もしかして、今日食った物の中に変なもんがあって不能に…!?

 マジかよどうすんだよ、とりあえず病院か!?


「わかんね、ちょっと待って」


 こういうときは冷静になるべきだ。

 とりあえずタツヤにされてるの想像して自分で弄ってみた。


「ぁっ、」


 やべぇ、タツヤ効果半端ねー。

 そのまま弄り続けるけど、普通に気持ちいい。

 すぐそこで小型犬が、オレのオナニー見て興奮したのか弄り始めやがった。


「んっ、やべ、出そー」

「朝陽、もっと顔をよく見せて、イク時の顔見たい」


 やっべーこいつ変態。

 でもオレは優しいから、俯いてた顔を上向けた。


「はぁ、朝陽、綺麗だ」


 目ぇ瞑ってたオレは、なんか暗くなったのを感じて半目開けた。

 そしたら迫り来る顔。


「ちょっ、おま、キスはダメだって」

「ごめん、やっぱ朝陽とキスしたい」

「無理無理、やめて」

「いいじゃん、セックスはさせてくれるんだから」

「おま、それはちげーだろ」


 せっかくイキそうだったのに萎えた。


「わかった、お前が無理なんだわ」

「何が?」

「お前じゃ勃たなくなった」


 オレはさっさと服正して立ち上がった。


「な、待ってよ朝陽」

「ごめん、オレお前のセフレやめるわ」


 オレは呼び止めてくる声を無視してその場を後にした。



- 9/29 -

[≪prev | next≫]



 ←Series Top





第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -