週刊『彰と朝陽』

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あまえていいから─彰



 晩飯のリクエスト取ろうとしたら、何故か呼び寄せられた。


「どーしたの、朝陽さん」

「こ、ここ!来いよ」

「膝…?」

「ん。そこに寝て、頭乗せろ」

「えっ」

「まずはひ、膝枕…してやる」

「いーの?」

「ん」

「うわ…初めて。朝陽さんの膝枕」

「せ、先生に甘えていーから…」

「先生? あっ、もしかしてさっきのご褒美の話?」

「そーだ」

「ありがと。超うれしー」


 朝陽さんが膝枕してくれるなんて!

 夢みたいだ、鼻血が出そうだ。

 てか気持ちよすぎる。

 女みたいに柔らかくはないのに、今までしてもらった膝枕の中で一番。

 やっぱり朝陽さんだからって理由だな。

 愛の力は偉大だ…。

 俺は甘やかす方が好きだけど、たまにはこーいうのもいーかも。


「彰」

「なーに、朝陽さん」

「どうだ?」

「すげぇ気持ちいーよ」

「そか!」

「朝陽さんの膝枕は格別だね」

「当たり前だ。オレだからな」

「うん。大好き、朝陽さん」

「ん。……あ、先生だぞ!」

「そうだった。朝陽先生」

「よし」


 朝陽さん、先生役気に入ってんのかな。

 すげぇ満足気でかわいー。

 くすぐったいけど、頭撫でられんのも悪くない。


「朝陽…先生」

「なんだ?」

「脚が痺れたら言ってよ」

「気にすんな」

「でも、痺れたら結構辛いよ」

「今日は彰を甘やかすんだ!いーからオレに甘えてろ」

「え、先生ゴッコじゃなくて?」

「先生ゴッコだろ」

「でも別に甘やかすことに拘らなくても」

「彰は家庭教師に甘えたいんだろ? こんな風に」

「…な、なにこれ」


 朝陽さんは、さっきのAVのパッケージの裏側を俺に向けた。

 そこには、家庭教師に扮した女優に甘える男優、という画。

 しかもなんだよ『ずっと、先生に甘えたかったんだ』って…。

 もしかして、朝陽さんはこれが俺の好みだと鵜呑みにした?


「遠慮するな。今日のオレは特別仕様だ」


 特別仕様は嬉しい。

 でも、どうせならハイパーデレデレ朝陽さんがいいな…。

 一発目の台詞に安易にそそられた俺が悪いのか?

 今から訂正すれば間に合いますか、朝陽先生?



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