週刊『彰と朝陽』 ■しおりを挿む
あまえていいから─彰
晩飯のリクエスト取ろうとしたら、何故か呼び寄せられた。
「どーしたの、朝陽さん」
「こ、ここ!来いよ」
「膝…?」
「ん。そこに寝て、頭乗せろ」
「えっ」
「まずはひ、膝枕…してやる」
「いーの?」
「ん」
「うわ…初めて。朝陽さんの膝枕」
「せ、先生に甘えていーから…」
「先生? あっ、もしかしてさっきのご褒美の話?」
「そーだ」
「ありがと。超うれしー」
朝陽さんが膝枕してくれるなんて!
夢みたいだ、鼻血が出そうだ。
てか気持ちよすぎる。
女みたいに柔らかくはないのに、今までしてもらった膝枕の中で一番。
やっぱり朝陽さんだからって理由だな。
愛の力は偉大だ…。
俺は甘やかす方が好きだけど、たまにはこーいうのもいーかも。
「彰」
「なーに、朝陽さん」
「どうだ?」
「すげぇ気持ちいーよ」
「そか!」
「朝陽さんの膝枕は格別だね」
「当たり前だ。オレだからな」
「うん。大好き、朝陽さん」
「ん。……あ、先生だぞ!」
「そうだった。朝陽先生」
「よし」
朝陽さん、先生役気に入ってんのかな。
すげぇ満足気でかわいー。
くすぐったいけど、頭撫でられんのも悪くない。
「朝陽…先生」
「なんだ?」
「脚が痺れたら言ってよ」
「気にすんな」
「でも、痺れたら結構辛いよ」
「今日は彰を甘やかすんだ!いーからオレに甘えてろ」
「え、先生ゴッコじゃなくて?」
「先生ゴッコだろ」
「でも別に甘やかすことに拘らなくても」
「彰は家庭教師に甘えたいんだろ? こんな風に」
「…な、なにこれ」
朝陽さんは、さっきのAVのパッケージの裏側を俺に向けた。
そこには、家庭教師に扮した女優に甘える男優、という画。
しかもなんだよ『ずっと、先生に甘えたかったんだ』って…。
もしかして、朝陽さんはこれが俺の好みだと鵜呑みにした?
「遠慮するな。今日のオレは特別仕様だ」
特別仕様は嬉しい。
でも、どうせならハイパーデレデレ朝陽さんがいいな…。
一発目の台詞に安易にそそられた俺が悪いのか?
今から訂正すれば間に合いますか、朝陽先生?
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