週刊『彰と朝陽』

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まるで氷みたいな─朝陽



 買うクッションを決めて彰を探してたら、すげーキモい彰を見付けてしまった。

 犯罪級に顔が弛んだ、変態妄想中の彰。

 まぁ抱き締めてる物でなに考えてるかだいたいわかるけど、あれはヤバい。

 セックスにバリエーションをつけるのも悪くねーと思ってるし、とりあえずそのエプロンは彰に買わせることにした。

 あんな言い方したけど、彰の誕生日にでもやってやるつもりだ。


「朝陽さん」

「なんだ、妄想彰」

「もう…カーテン選ぼーよ」

「ん。任せろ」

「まず色から絞らないと」

「彰は黒とか青が好きだよな」

「そーだね。寒色系が好き」

「お前の中には変態マグマが煮えたぎりながら渦巻いてるのにな」

「言っとくけど、こんなの朝陽さんにだけだからね!? 俺はすげぇ冷たい男だって有名だし」

「まるで氷みたいってか」

「あれ、聞いたことあんの?」

「まーな。大学ですれ違う女がたまに喋ってる。オレには信じられねーけどな」

「朝陽さんに冷たくするなんてありえねぇ」

「そか」

「あ、この赤寝室によくね?」

「お前、さっき寒色系が好きだって確認したよな」

「でも欲が減退するじゃん」

「彰はこんなカーテンでオレの性欲が減退するって心配してんのか」

「そ、そんなことは」

「あるんだろ?」

「…はい」

「素直に認めたから許してやる」

「よかった!」


 世話が焼ける男だ。

 とりあえずオレも青が好きだから、青系がいーんだよな。

 ひたすら並んでるカーテンのサンプルを順番に見ていく。


「あ。これがいーな」

「キレーな青だね」

「これならなんとなく暖けー青だろ」

「うん、寒くはないかも。さすが朝陽さん」

「だろ。オレが選ぶんだからいいに決まってる」

「じゃあこれ、後で注文しよっか」

「ん」


 カーテンはサイズがあるから、一旦保留にして別の場所を見に行った。

 そしたら彰が食器をペアで揃えたいとか言い出すから、また張り切って選んでやった。



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