週刊『彰と朝陽』

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だって退屈だもん─彰



 朝陽さんは今、一生懸命クッションを品定めしてる。

 揉んだり叩いたり撫でたり…。

 テレビ観る時に抱き締める物だから、特に大事なことらしい。

 クッションじゃなくて俺に抱き付いて見ればいーのに。

 朝陽さんをクッションに盗られたみたいで、すげぇ悔しい。

 暇だから近くにあったキッチン用品を見てたら、エプロンのラックを見付けた。

 あ、このエプロンかわいー。

 女物だけど朝陽さんに似合いそう。

 いわゆるエプロンドレスってやつだな。

 こんなの着た朝陽さんに、お出迎えとかされたい。



『おかえり、彰』

『ただいま朝陽さん……え!?』

『今、ご飯作ってっから』

『ちょ、待って。そのエプロンの下、まさか裸…』

『…今日はあちーし、たまには彰にサービスしてやろーと思って』

『マジで!? 俺、飯の前に朝陽さんを食いたいな』

『ダメだ。鍋を火にかけっぱなしなんだ』

『じゃあ邪魔しないように食べる』

『っあ…、もう、ダメだって』

『いいじゃん。朝陽さんの乳首、エプロンの上からでもわかるぐらい硬くなってるよ』

『彰のバカ…ぁ、危ね、からっ…』

『ほら、火は止めたよ。だからベッド行こ』

『ん…。じゃあ抱っこして』

『喜んで』



 なーんて!

 やっべ、鼻血出そう!

 こっそり買って朝陽さんにプレゼントしよーかな?

 5%ぐらいの確率で妄想が実現するかもしれねーし!


「おい」

「っ!?」

「なにエプロン抱き締めてニヤニヤしてやがるんだ」

「あ、朝陽さんっ…」

「お前、想像を絶する変態だよな」

「そんなことない!男のロマンだし!」

「…………それ、誰に着せるつもりだ?」

「朝陽さん…です」

「そか。オレの裸エプロンが見てーのか」

「見たいというか、食べた…ぐふッ」

「ここは外だ!店だ!妄想は家でやれッ!」

「ご、ごめんなさ…い」


 だって退屈だったんだもん!なんて言い訳をしたら、また怒られそうだな。

 朝陽さんが俺を放置したからなのに…。


「これはお前がシワにしたんだから、ちゃんと買い取れよ」

「うん…」

「気が向いたら着てやらなくもねー。あと、エプロンの下は更に低確率の気まぐれだ!」

「……朝陽さん…!大好き」

「ん。うぜぇから元気出せ。あと、もう売り物で妄想すんな」

「わかった!」


 相変わらず朝陽さんはツンデレだな。

 そんなとこが超かわいーんだけど。



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