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大型犬とオレ(side 朝陽)

□焼肉パーティー


 あー、血肉が増えてくのがわかる。

 オレ、今栄養補給中!


「朝陽さん、野菜も食って」

「彰が焼いてくれたら食う。オレは今、牛肉という彼氏の相手でいそがしー」

「ハイハイ、彼氏と着衣プレイはいかが?」


 緑の洋服渡された。

 似合わなくもないから着せてやるか。


「ん、美味い。美味いよオレの彼氏」

「さすが俺の見立て」

「なんだっけ、サンチョ?」

「違う、ゲームかなんかだそれ。
 メニュー朝陽さんの目の前にあるじゃん。読んで」

「サンチュ。ちょー惜しい、ご褒美に彼氏もう一人前欲しい」

「どうぞどうぞ」


 やべぇこんなに食うの久しぶりだ。

 明日ブクブクになってたらどうしよ。


「ねぇ彰クン。明日起きて醜くなってたらどうしよ」

「そんな朝陽さんも素敵ですよ」

「うわ、殺された」

「ははっ、ほら焼けたよ、食って」


 焼きかぼちゃ口に突っ込まれた。ほんのり甘い。

 てか楽しい。彰といると楽だ。

 世話焼いてくれるからとかじゃなく、話してて気持ちが軽くなるってやつ。


「てかお前呑まないの?」

「うん、朝陽さんアルコールアレルギーっしょ」

「気にすんなよ。まさか未成年だからっていわねーよね」

「まさか。…ねぇ朝陽さん、おめでとうって言って」

「ん? おめでとー」

「ありがと。これで俺も大人になれました」

「え、なにそれ、お前今日誕生日…」


 マジかよ。何照れ笑いしてんだよ。


「何オレに奢っちゃってるんだよ。
 つかなんでオレと過ごしちゃってるんだよ」

「朝陽さん、ほっとくと食べないし。
 ご飯断られたら誕生日プレゼントとして来てもらうつもりだった」

「ばっ、バッカじゃね?」

「うん、バカかも」


 なんだよ、こいつモテんのに。

 祝ってくれる友達も多いのに。

 誕生日知らなかったオレに奢るってどんだけマゾだよ。


「…オレ、サドじゃねぇよ?」

「よかった、俺もマゾじゃないんだ」

「なんだよ、気が合うじゃねーか」

「今さら気付いた?」

「近すぎて、お前のよさに気付かなかったみたいだオレ…!」

「わかってくれればいいんだ。これからも一緒だよ」

「うん、彰クンちょー好き」


 喋りに夢中になってたら彼氏が黒くなってた。

 色黒男は好みじゃないから彰に譲った。



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