週刊『彰と朝陽』 ■しおりを挿む
わかってないんだね─彰
朝陽さんの滑らかな肌に、遠慮なく白い液体を撒き散らす。
それを塗り広げるように手のひらを這わせると、朝陽さんの肩がビクリと震えた。
俯せの体勢で腕で口元を隠して声を噛み殺そうとする姿に、俺の中の征服欲がむくむくと────。
「彰ッ」
「なーに、朝陽さん」
「しっかり塗れよ!」
「してるよ」
「塗り方がヤワい…っ」
「感じちゃう?」
「…っん、バカ!」
「でも優しく塗らないと」
「あ、ぅ…ん」
仕上げに脇腹を揉むように塗ると、やっぱり悩ましげな声が出た。
後ろ半身を一通り塗り終わって、朝陽さんを仰向けに転がす。
サービスで前も塗っていーよね?
「あ、ま、前は」
「塗らせて」
「オレがやるっ」
「だーめ」
「あぁっ、そこは、いらねーだろ!」
「乳首も焼けるんだよ」
「うっ、嘘だッ」
「ホントだって。同じ皮膚だし」
「そ…そか…」
「朝陽さんは感じやすいから困っちゃうね」
「ち、ちげー…よっ」
「日焼け止め塗るだけでこんなになって」
「あき…」
「やっぱり家で塗って正解だね」
「ん、なんでだ…」
「砂浜で塗ったら、朝陽さんが他の男に狙われる」
「ねーよ、バカ…」
「あるって」
「オレは男だぞ!」
「わかってないね、朝陽さん」
こんなに欲情させるような顔と反応しといて。
しかもなんだよあの声。
下半身に来ないでドコに来るんだっつの。
朝陽さんは、男だからって言い訳なんて通用しないんだよ!?
ノンケだった俺が惚れたんだから。
しかも、ありえないぐらいベタ惚れだし。
「もー、いーだろ…」
「そうだね。仕上げに朝陽さんからも白い液た…ぐふッ」
「海行くんだろーが!これは自分でやる!」
「ひでぇよ朝陽さん!」
「うるせーバーカ!」
朝陽さんはトイレに行って鍵をかけてしまった。
俺が出してあげたかったのに。
いつもなら、火が着いたらすぐにセックスしよって襲ってくる朝陽さんが…。
それだけ海に行くのを楽しみにしてたってことかな。
かわいーな、朝陽さんは。
さて…虚しいけど俺も自分で出しとかないと辛いな。
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