週刊『彰と朝陽』

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わかってないんだね─彰



 朝陽さんの滑らかな肌に、遠慮なく白い液体を撒き散らす。

 それを塗り広げるように手のひらを這わせると、朝陽さんの肩がビクリと震えた。

 俯せの体勢で腕で口元を隠して声を噛み殺そうとする姿に、俺の中の征服欲がむくむくと────。




「彰ッ」

「なーに、朝陽さん」

「しっかり塗れよ!」

「してるよ」

「塗り方がヤワい…っ」

「感じちゃう?」

「…っん、バカ!」

「でも優しく塗らないと」

「あ、ぅ…ん」


 仕上げに脇腹を揉むように塗ると、やっぱり悩ましげな声が出た。

 後ろ半身を一通り塗り終わって、朝陽さんを仰向けに転がす。

 サービスで前も塗っていーよね?


「あ、ま、前は」

「塗らせて」

「オレがやるっ」

「だーめ」

「あぁっ、そこは、いらねーだろ!」

「乳首も焼けるんだよ」

「うっ、嘘だッ」

「ホントだって。同じ皮膚だし」

「そ…そか…」

「朝陽さんは感じやすいから困っちゃうね」

「ち、ちげー…よっ」

「日焼け止め塗るだけでこんなになって」

「あき…」

「やっぱり家で塗って正解だね」

「ん、なんでだ…」

「砂浜で塗ったら、朝陽さんが他の男に狙われる」

「ねーよ、バカ…」

「あるって」

「オレは男だぞ!」

「わかってないね、朝陽さん」


 こんなに欲情させるような顔と反応しといて。

 しかもなんだよあの声。

 下半身に来ないでドコに来るんだっつの。

 朝陽さんは、男だからって言い訳なんて通用しないんだよ!?

 ノンケだった俺が惚れたんだから。

 しかも、ありえないぐらいベタ惚れだし。


「もー、いーだろ…」

「そうだね。仕上げに朝陽さんからも白い液た…ぐふッ」

「海行くんだろーが!これは自分でやる!」

「ひでぇよ朝陽さん!」

「うるせーバーカ!」


 朝陽さんはトイレに行って鍵をかけてしまった。

 俺が出してあげたかったのに。

 いつもなら、火が着いたらすぐにセックスしよって襲ってくる朝陽さんが…。

 それだけ海に行くのを楽しみにしてたってことかな。

 かわいーな、朝陽さんは。

 さて…虚しいけど俺も自分で出しとかないと辛いな。



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