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大型犬とオレ(side 朝陽)

□デートのお誘い


 朝、起きたら目が腫れてた。

 いつも通りの時間に来た彰は、空気読んで気付かないフリしてくれた。


「朝陽さん、今日はよく食べるね」

「ん、腹減ってた」

「もう、腹減ったなら自分でちゃんと食ってよ?」

「やだ。餌付けされてやってんだからありがたく思え」

「あー、俺朝陽さんが心配でお婿に行けない」

「じゃあオレの婿になれ」

「やだーこんな手の掛かる嫁」

「お前、このオレを振るなんて度胸あるな」

「朝陽さんが心配で仕事できなくなったら共倒れだもん」

「お前となら心中も悪くねーな」

「マジで。朝陽さんの一生を俺にくれんの」


 そう言いながら、タマゴサンドを口に突っ込んできた。

 彰はきゅうりとレタスが挟まったやつ食いながらコーヒー飲んでる。

 合うのかそれ。


「ねぇ、朝陽さん、今夜暇?」

「なに、デートしてほしいの」

「うん、俺とご飯行きましょ」


 冗談言ったら肯定された。

 いや、いつも冗談言い合うから内容は問題ない。

 ただ、彰の顔が真面目だ。


「夜のオレはお高いぜ?」

「よーし奮発するか」

「え、焼肉連れてってくれんの」

「なんでもいいよ、朝陽さんが好きなもの食いにいこ」


 うわ、本気だこいつ。冗談に本気、これダメ。

 でも断ったり冗談にして流せる雰囲気じゃなかった。


「…美味いもんじゃなきゃ蹴るからな」

「うん、何食べたいか考えといてよ」


 嬉しそうにニコニコしやがって。

 高いモン奢らせるか。



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