天使か悪魔か

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「琳、わかっているよね?」


 陽平が綺麗な笑顔で、ベッドの上で縮こまる全裸の俺に迫ってきた。

 その右手には、手錠なんていう物騒なもんがある。

 纏う空気が恐ろしくて、いつも天使に見える笑顔が悪魔の笑顔に見えてくる。


「ほら手を出して」

「う……せやけど、痛いんは嫌や……っ」


 逆らうことなんか無理やから、俺は素直に両手を差し出しながら涙目で陽平に訴えた。


「大丈夫。琳が気持ちいいことしかしないから、安心してよ」

「……こ……怖い」


 カチャッて音がして、何故か冷たくない金属の輪っかが両手に嵌まる。


「琳のためにチタンにしたんだよ。冷たくないでしょ」

「うん……」


 その優しさは嬉しいけど、なんか複雑な気分や。

 あ、なんで俺がこないなことになってるか気になるんか?

 平たく言うたら、俺が陽平を怒らせたからや。

 それはちょうど三日前のことやねんけど────。




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