Present for you. byアル ■しおりを挿む
クリスマスパーティー終了後。
ここからはそれぞれ恋人同士の時間、ということで、私は正太郎を自室へ連れ込んだ。
ソファに正太郎を座らせ、キャビネットから取り出した包みを正太郎に差し出す。
「正太郎……。どうかこれを受け取ってください」
本来ならば正太郎を深く愛した後、いい頃合いを見計らって渡すはずだったクリスマスプレゼント。
だが、琳の“お好み焼きセット”に喜ぶ正太郎を見ていて、どうにも我慢ならなかったのだ!
正太郎を愛し、喜ばせ、そして幸せな気持ちにさせるのは、常に私でありたい。
何故なら、正太郎は私だけのものなのだから。
「これ……僕に?」
正太郎は小さく呟き、可愛らしく首を傾げた。
包みを凝視する黒目がちで大きな瞳が、この世で一番清らかな液体──つまり正太郎の涙で潤み、驚きに揺れている。
「はい、正太郎へのクリスマスプレゼントです」
私は、そんな正太郎を抱き締め、更に激しく口付けたい衝動を抑えて、大きく頷いてみせた。
すると正太郎の表情が、驚きから歓喜のそれに変わる。
ああ……やはり正太郎は喜んでいる時の顔が一番愛らしい。
「嬉しい! ね、開けてもいい?」
「もちろんです」
再び頷いた私は、正太郎の小さな手のひらに包みを乗せてやった。
すると正太郎は、頬を赤く染めて、はにかみながら包装を丁寧に解きだす。
私はそんな正太郎を、愛しく思いながら見守った。
このプレゼントの中身は、携帯電話に取り付けるアクセサリーだ。
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