Present for you. by陽平 ■しおりを挿む
グラスや皿など、パーティーで使用した物をあらかた片付けてから自分の寝室に入ると、最近付き合いだしたばかりの恋人が俺のベッドで横になっていた。
でも、お世辞にも色気があるとは言えない。
何しろ、文字通り“大の字”になって寝ているのだから。
賑やかなクリスマスパーティーが終了して、やっと、二人きりになれたっていうのに。
琳は、サンドイッチの時点で既に傍目から見ても食べすぎていたのに、更にケーキを全部平らげたんだ。
俺はちゃんと、残りは包んであげるから無理して食べるなって注意したんだよ?
実際にそれを聞いていた正太郎は二口ほど食べただけで、あとは持って帰りますって俺に預けてきた。
なのにどうしてこの馬鹿は、それができないのか……。
俺は膝立ちの格好でベッドに上がって、仰向けで唸っている琳を見下ろした。
「琳は馬鹿だね」
「……せやかてっ」
「うるさいよ」
「うぅ……」
琳の丸く膨らんだお腹が、呼吸に合わせて上下している。
その傍らに腰を下ろし、服の中に手を入れて直接撫でてみると、すべすべな肌が相まってつきたてのお餅のように柔らかい。
正直、このお腹はすごく可愛いと思う。
思うけれど……やっぱり呆れが勝ってしまう。
「ここを思い切り押さえたら、口から中身が出てくるかな?」
「あ、あかんでっ」
「……頼まれてもしないよ」
どうせ掃除するのは俺だし。
それより、せっかく二人になれたんだから、たくさん虐めて啼かせてやりたい。
だけど今の琳じゃ、俺の愛撫に感じて喘ぐより先に、胃の苦しみに呻きそう。
そんなの、想像しただけで萎えるんだけど……。
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