プレゼント交換バトル ■しおりを挿む
クリスマスを来週に控えた土曜日。
俺と正太郎は、クリスマスパーティーのために、陽平の送迎でアルのマンションにやって来た。
まだイブまで五日もあるんやけど、23日の祝日にアルと陽平がアメリカへ帰ってまうから今日しかないねん。
今月に入って話し合いで決めたパーティーの内容は、小学生の時に子供会でやったような感じで、めちゃくちゃおもろそう。
まずジュースで乾杯して、いろいろ食べて遊んで……プレゼント交換もやるんや。
ちなみにプレゼントのルールは、二千円以内の消え物。
着いたらすぐにアルが用意した箱に入れるから、完璧にどれが誰のんかわからん状態での交換になる。
もし自分のが当たっても、それはそれで楽しいっちゅーやつや!
「琳、今日はみんなでトランプをしよう!」
「持ってきたんか?」
「うん!」
エレベーターの中。
えらい勢いで増えていく数字を眺めてたら、正太郎が嬉しそうに鞄からトランプを出してきた。
こないだのアルの別荘に旅行してきた時にも持ってきてたトランプや。
「七並べと、神経衰弱と。……ババ抜きもしたいな!」
「ちょ! 待ちやっ」
「?」
ババ抜きはあかん!
また接待ゲームになってまうやんか。
正太郎は気付いてへんかったけど、あれはほんまにおもろなかった。
何かを変えんとあかん……。
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