BT! Extra −アルの願望− ■しおりを挿む
土曜日のお昼前。
僕は牧野さんのお迎えで、琳と一緒にアルの家にやってきた。
みんなで軽く昼食を食べて少し休憩したら、アルは琳を連れてリビングを出ていってしまった。
琳とアルの音楽の趣味が同じらしくて、アルがCDを貸してあげるみたい。
仲が良さげな二人に、僕も嬉しくなった。
けど、前はあんなに仲が悪かったのにって思ったら、少し妬けちゃう。
でも、アルが僕を見る目がとっても優しいし、琳が牧野さんを見る目もすごくキラキラしてるから、不安にはならない。
アルと琳が帰ってくるまでの間、僕は牧野さんと話していた。
「牧野さん、この間はごめんなさい」
「正太郎様、どうか謝らないでください。琳が悪いんですから」
「あんまり、酷いことはしないでね」
「琳が結果的に悦ぶことしか致しません。ご安心ください」
そう言って微笑む牧野さんはとても綺麗だけど、琳の話を聞いているから少し心配になってくる。
ドSにも種類があるらしくて、牧野さんに琳を痛め付ける趣味はないらしいけど、お仕置き=ぶたれるってイメージが抜けなくて。
「でも、お仕置きって…」
「…正太郎様は本当にお優しいのですね。あれは名目ですよ」
「名目?」
「はい。お仕置き、という名目で、琳は私にされることを受け入れやすくなります」
よくわからない…。
琳はたまに意地を張って強がるところがあるから、そのことかな?
まぁいいか!牧野さんは琳のことが大好きだから、きっと大丈夫。
案ずるより産むが易しって言うしね。
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