BT! Extra −アルの願望−

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 土曜日のお昼前。

 僕は牧野さんのお迎えで、琳と一緒にアルの家にやってきた。

 みんなで軽く昼食を食べて少し休憩したら、アルは琳を連れてリビングを出ていってしまった。

 琳とアルの音楽の趣味が同じらしくて、アルがCDを貸してあげるみたい。

 仲が良さげな二人に、僕も嬉しくなった。

 けど、前はあんなに仲が悪かったのにって思ったら、少し妬けちゃう。

 でも、アルが僕を見る目がとっても優しいし、琳が牧野さんを見る目もすごくキラキラしてるから、不安にはならない。

 アルと琳が帰ってくるまでの間、僕は牧野さんと話していた。


「牧野さん、この間はごめんなさい」

「正太郎様、どうか謝らないでください。琳が悪いんですから」

「あんまり、酷いことはしないでね」

「琳が結果的に悦ぶことしか致しません。ご安心ください」


 そう言って微笑む牧野さんはとても綺麗だけど、琳の話を聞いているから少し心配になってくる。

 ドSにも種類があるらしくて、牧野さんに琳を痛め付ける趣味はないらしいけど、お仕置き=ぶたれるってイメージが抜けなくて。


「でも、お仕置きって…」

「…正太郎様は本当にお優しいのですね。あれは名目ですよ」

「名目?」

「はい。お仕置き、という名目で、琳は私にされることを受け入れやすくなります」


 よくわからない…。

 琳はたまに意地を張って強がるところがあるから、そのことかな?

 まぁいいか!牧野さんは琳のことが大好きだから、きっと大丈夫。

 案ずるより産むが易しって言うしね。




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