BT! −ボーイズトーク−

しおりを挿む



 ゴクリ、と喉が音を立てた。

 手土産はないから、モロにそれが目的…なんて、恥ずかしい。

 けど…、気になるんやもん!

 もう陽平の前で変な顔になって、責められたくないんやもん!


「しょ、正太郎、ちょっとええかなっ?」


 あーヤバい、動揺のあまり声が上ずってしもた。


「はーい!どうぞ」


 上ずった俺の声とは違う元気な声に、これから訊くことがどれだけ恥ずかしいことかを思い知らされる。


「ご、ごめんやでいきなり」

「ううん」


 正太郎にパウダービーズのクッションを手渡されて、俺はそれを膝に乗せて体育座りした。

 顔を埋めたら気持ちいいわ…じゃなくて。


「あのな…変なこと訊くんやけど」

「どうしたの?」


 ちょいちょいっと手招きしたら、正太郎が素直にこっちに近付いてきた。

 正太郎の耳を借りて、声のトーンとボリュームを落とす。


「正太郎って、アルとエッチできんの…?」

「…なっ!なに!」


 一瞬で真っ赤になった正太郎が、両手で顔を覆った。

 可愛すぎるやろ、その反応。


「なんでそんなこと!?」

「いや、だって…正太郎とアルの体格に差がありすぎるやん?」


 正太郎が好きやった時は、そういうことは漠然としか考えてなかった。

 でも、俺も陽平とエッチして、やっとわかったんや。

 どれだけ受け入れる側が大変か!


「…し、してるよ?」

「は、入るん? でかそうなんやけど…」

「もう…琳、僕恥ずかしいよ…」


 あぁごめんやで!

 正太郎は嘘吐かれへん子やもんな!




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