彼の恋人宣言 ■しおりを挿む
「ははっ、正太郎くんかわいー……ってわかってる、わかってるよアル」
二ヶ月前から彼女いんのに信用ないな、って仲嶺が呟いた。初耳だ。
いつの間に大人になったんだ、用が済んだら問い詰めよう。
拓真は正太郎と一番仲がいい友人なので嫉妬の対象です、とアルが告白した。…これも初耳だ。
なんかつまんない嫉妬が可愛いから、後で僕からキスをしよう。
◆ ◆ ◆
「しゃ、写真撮るの!?」
被服室に着くと、僕たちを見た演出係が、言い忘れてたわ!と衝撃の企画を発表した。
提案でないのは、もうすでに決定しているから。
出端を挫かれたなんてもんじゃないよ。
文句を言う前に設定の必要性を納得させられた上に、写真を撮られるという爆弾を食らったんだもん。
「で、でも他のクラスはイラストとか文字で…」
「最初はポラロイドで客引き二人との記念撮影を売りにしようと思ったんだけどね、ポスターを写真にして目を惹くほうがいいかなって。 御厨くんには女装させちゃうことになるし、どっちか好きな方を選んでくれていいよ」
そんなの、一回で終わるポスターのがいいに決まってるよ!
「ポスターの方でよろしく…」
「わかった!めちゃくちゃ可愛くしてあげるからね」
メイクもちゃんとやってくれるらしい。
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