純愛宣言forever

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 僕は熱くなる顔を隠したくて思わず……琳に抱き付いた。

 琳だとお手軽っていうか、従兄だけど本当の兄ちゃんみたいな感じだから。

 それに今の琳には牧野さんがいるから、変な雰囲気にもならないし安心なんだ。


「おっ、役得やな。やっぱり、アルより俺の方がええやろ」


 琳は僕の背中に腕を回して、軽く力を込めてくる。

 するとその瞬間、アルが僕の両肩に手を掛けてきた。


「正太郎! 何故、よりによって琳に抱き付くのですか! 早く離れてくださいっ」

「だってアルに抱き付くと、もっと顔が熱くなるんだもん!」


 琳から引き剥がされて、僕はかぶりを振りながら目の前の琳の腕にしがみつく。

 それが火に油を注ぐことになったのか、アルが遂に僕を背中から抱き締めてきた。


「赤い顔の正太郎も、とても愛らしいです。ですから私に抱き付いてください!」

「ていうかアル、よりによってってなんやねん! 失礼な奴やな!」

「私がいるというのに、わざわざ琳などを選ぶからです!」

「お前、俺のことバカにしてるやろ!」


 アルと琳が僕を挟んで、ギャーギャーと言い合いを始めてしまった。

 琳は元々うるさいけど、アルもヒートアップして声が大きくなっている。

 どうしたらいいかわからずに前を見ると、運転手さんは笑っているけど牧野さんは大きな溜め息を吐いていた。

 光が射し込んでいるわけでもないのに、眼鏡が妖しく光ったように見えたのは気のせいだろうか。

 なんだか牧野さんの雰囲気がすごく怖いんだけど、言い争う二人は気付いていないようだ。




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