純愛宣言forever ■しおりを挿む
たまにかっこよすぎてずるいと思っちゃうけど、僕の大好きな笑顔だ。
アルは少し考える素振りを見せてから、ゆっくりと話しだした。
「日本とアメリカに時差があることはご存知ですね? 私たちが日本から飛び立った時、ここは四月三十日の朝だったのです。移動に要した時間が時差より少ないので、結果的に到着時間が出発時間より前になっただけなのです」
「あー、なんとなく、わかったかも……?」
僕たちが日本を出発した時、アメリカは時差のせいでその日の朝だった。
それがわかれば、すんなり入ってきたような気がする。
だって、ただ時間が戻っているって聞いただけじゃ、僕たちが飛行機に乗っている間の時間はどこに消えたんだろうって疑問が湧くんだ!
僕にもわかるように説明ができるから、アルは本当にすごい!
「ふふ……。正太郎は頭が良いですね」
「ううん、アルの説明がわかりやすいんだよ」
数字がごちゃごちゃ出てこなかったから、僕でもわかったんだ。
そう言うと、アルはもう一度頭を撫でてくれた。
それが少しくすぐったくて、僕は肩を竦める。
すると、琳が大袈裟に溜め息を吐いた。
「アルはほんま、正太郎、だ、け、に、甘いな」
琳が嫌味っぽく「だけに」を強調して言った。
でもそれが通じなかったのか、アルは満足気に大きく頷く。
「当然です。正太郎は私の、世界で一番愛しい人なのですから」
「もう、アルっ」
いくら運転手さんが日本語のわからない人だって言っても、言葉にされたらやっぱり恥ずかしい!
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