大人のチョコレート

しおりを挿む



 でもそれは杞憂だったみたい。

 僕の中のアルが、アルの口より先に返事をしてくれたから。

 ビクビクと脈打つそれが、嬉しいって言っているみたいなんだ。


「…今日の正太郎は中がすごく蕩けていますね。リキュールのせいですか?」

「わかんない…。すごくアルが欲しい」

「私はいつでも、正太郎だけのものですよ」


 アルはそう言って微笑むと、ゆっくりと律動を開始した。

 僕の中で動くそれは、優しいアルの一部とは思えないほど熱くて猛々しい。


「あ、あぁっ…アルぅ…」


 気持ちイイところをぐちゅぐちゅと擦られながら、僕は生理的な涙を浮かべてアルに抱き付いた。


「き、もちい? ぼ…くの、なか」

「はい…とても」


 僕も気持ちいい。

 アルが、僕が熱い…。

 いつもより頭がぼんやりしているから、僕は本能が欲するままにアルを求めた。

 普段なら恥ずかしくて言えないことまで言ってしまう。

 今日の僕はなんだかおかしい。


「もぅダメっ!アルの…だけで、イッちゃう…っ!」

「正太郎は、ココ、がイイんですよね…」

「ひぁあああぁっ!」


 アルがココ、と言いながら角度を変えてその一点をぐりゅっと突いた瞬間、僕はアルのモノだけで達してしまった。


「正太郎…っ」


 僕が達したことで後孔に相当力が入ったのか、アルは眉間に皺を寄せてぶるりと身体を震わせた。

 それと同時に放たれる熱い精。

 中で痙攣しながら何度も吐精するアルに、僕は愛しさを感じた。




- 24/36 -

[≪prev | next≫]



 ←Series Top





人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -