大人のチョコレート ■しおりを挿む
でもそれは杞憂だったみたい。
僕の中のアルが、アルの口より先に返事をしてくれたから。
ビクビクと脈打つそれが、嬉しいって言っているみたいなんだ。
「…今日の正太郎は中がすごく蕩けていますね。リキュールのせいですか?」
「わかんない…。すごくアルが欲しい」
「私はいつでも、正太郎だけのものですよ」
アルはそう言って微笑むと、ゆっくりと律動を開始した。
僕の中で動くそれは、優しいアルの一部とは思えないほど熱くて猛々しい。
「あ、あぁっ…アルぅ…」
気持ちイイところをぐちゅぐちゅと擦られながら、僕は生理的な涙を浮かべてアルに抱き付いた。
「き、もちい? ぼ…くの、なか」
「はい…とても」
僕も気持ちいい。
アルが、僕が熱い…。
いつもより頭がぼんやりしているから、僕は本能が欲するままにアルを求めた。
普段なら恥ずかしくて言えないことまで言ってしまう。
今日の僕はなんだかおかしい。
「もぅダメっ!アルの…だけで、イッちゃう…っ!」
「正太郎は、ココ、がイイんですよね…」
「ひぁあああぁっ!」
アルがココ、と言いながら角度を変えてその一点をぐりゅっと突いた瞬間、僕はアルのモノだけで達してしまった。
「正太郎…っ」
僕が達したことで後孔に相当力が入ったのか、アルは眉間に皺を寄せてぶるりと身体を震わせた。
それと同時に放たれる熱い精。
中で痙攣しながら何度も吐精するアルに、僕は愛しさを感じた。
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