大人のチョコレート

しおりを挿む



「っん、ん、ん…ぅ」


 アルは僕の苦しむ声は聞きたくないと言いたげに、今までにないくらい激しく舌を絡めてきた。

 僕を抱いているのは確かにアルなのに、アルじゃないみたいな乱暴なキス。

 その目的は違うんだけれど、まるで激しく求められているみたいだ。

 たまにはこんなキスもいいな、なんて思っちゃうぐらいに激しい。

 熱いモノのすべてが入りきった時、漸くアルは僕の唇を解放した。


「正太郎…苦しい、ですよね」


 苦しいのは僕なのに、アルの方が何倍も苦しげだ。


「ごめんなさい…」

「どうして正太郎が謝るのですか? 謝るのは私の方です。正太郎を苦しめてしまったのですから」


 アルは優しすぎるから、きっと僕の身体を心配するのと僕の我が儘の間ですごく激しい葛藤をしたはず。

 それでも僕の希望を叶えてくれた。

 嬉しくて愛しくてアルの熱を締め付けてしまう。

 すると中でそれに応えるようにアルのが痙攣するから、その部分が疼いてきた。


「謝らないで。苦し…けど、嬉しいんだよ。アル、奥までいっぱいだから」

「あまり私を喜ばせないでください。正太郎をめちゃくちゃにしたくなってしまいます」


 めちゃくちゃにしてほしいって言ったら、アルは僕を軽蔑しちゃう?

 それとも喜んでくれる?


「いいよ。めちゃくちゃに動いて…僕の中が……すごく熱い、の」


 言っちゃった。

 少し不安だったけれど、どうしても我慢ができなかったんだ。




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