大人のチョコレート ■しおりを挿む
「っぁう…」
アルが自分で舐めた指をその孔に押し込んできた。
僕の先走りがそこまで流れていたのか、指を動かされるとくちゅくちゅといやらしい音が響く。
その音と中を掻き回される刺激に、何故かいつもより興奮してしまう。
どうしてだろう、まだ準備ができていないのはわかっているのに、早く気持ちよくなりたくて気が焦る。
「アル、アル…挿れて…」
「ダメです。まだきちんとほぐせていませんから」
やだ…、欲しい。
アルが欲しい。
少しくらい乱暴でもいいから。
「お願い…欲しい」
「正太郎に痛い思いはさせられません」
「や、やぁ…挿れてぇ」
どうしてもおっきいのが欲しくて、ぼろぼろと涙が零れてくる。
アルは困った顔で僕の眦にキスをしながら、指を二本に増やした。
その指に中のイイところを擦られると、またすぐに達しそうな快感が僕を襲った。
でも指なんかじゃ嫌なんだ。
僕の熱くてどうしようもない場所を、アルの熱で掻き回してほしい。
欲望が大きくて理性が働かない。
「おっ、ねが……ちょ…だぃ。アル…」
腕を伸ばして、アルの額に貼り付いた金髪を梳く。
するとアルは目を細めて僕に深く口付けると、指を抜いて熱いモノをゆっくりと挿入してきた。
いつもよりほぐす指が一本足りなかっただけだけど、慣れたはずのそれは息が詰まるほど苦しい。
貫かれると同時に上がるはずの悲鳴は、アルの口腔の奥に消えた。
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