大人のチョコレート

しおりを挿む



「っぁう…」


 アルが自分で舐めた指をその孔に押し込んできた。

 僕の先走りがそこまで流れていたのか、指を動かされるとくちゅくちゅといやらしい音が響く。

 その音と中を掻き回される刺激に、何故かいつもより興奮してしまう。

 どうしてだろう、まだ準備ができていないのはわかっているのに、早く気持ちよくなりたくて気が焦る。


「アル、アル…挿れて…」

「ダメです。まだきちんとほぐせていませんから」


 やだ…、欲しい。

 アルが欲しい。

 少しくらい乱暴でもいいから。


「お願い…欲しい」

「正太郎に痛い思いはさせられません」

「や、やぁ…挿れてぇ」


 どうしてもおっきいのが欲しくて、ぼろぼろと涙が零れてくる。

 アルは困った顔で僕の眦にキスをしながら、指を二本に増やした。

 その指に中のイイところを擦られると、またすぐに達しそうな快感が僕を襲った。

 でも指なんかじゃ嫌なんだ。

 僕の熱くてどうしようもない場所を、アルの熱で掻き回してほしい。

 欲望が大きくて理性が働かない。


「おっ、ねが……ちょ…だぃ。アル…」


 腕を伸ばして、アルの額に貼り付いた金髪を梳く。

 するとアルは目を細めて僕に深く口付けると、指を抜いて熱いモノをゆっくりと挿入してきた。

 いつもよりほぐす指が一本足りなかっただけだけど、慣れたはずのそれは息が詰まるほど苦しい。

 貫かれると同時に上がるはずの悲鳴は、アルの口腔の奥に消えた。




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