チョコレート☆プレイ ■しおりを挿む
いや、花束には歳とか関係あらへんな。
こないにキザなアイテムが似合うんは天賦の才や。
「とりあえず…正太郎呼んでくるわな」
「ありがとうございます。陽平が下で琳を待っていますよ」
「わ、わかった!」
俺は家の中に戻って、リビングで居眠りしてた正太郎を揺り起こした。
陽平が待ってるから、気持ち的には叩き起こす感じで。
「ん…」
「正太郎、アルが来たで」
「……え? え!?」
正太郎は飛び起きて、珍しく走って玄関に向かった。
あー、せやからおばちゃんは朝もはよから張り切って料理してたんか。
正太郎が嬉しそうに手伝ってたんも、そのせいやな?
俺は料理中のおばちゃんにもアルが来たことを教えて、素早く玄関に戻った。
「ほな正太郎、また夜な!」
なんか喋ってる二人の横をすり抜けて、俺は靴を突っ掛けて家を出た。
アルが乗ってきたままっぽい花の匂いが充満したエレベーターに乗って、靴を履いて深呼吸したらちょうど一階に到着。
それ降りてマンションを出たら、陽平がいつもの車にもたれ掛かってこっちを見てた。
「おはよう」
「お、おはよ…」
車にもたれて待ってるって、似合わんかったら痛い行動になるやん?
せやのに、陽平は自然っていうか…かっこええっていうか。
陽平やったら、アルみたいに花束も似合うかもしれへん。
「どうぞ?」
俯いてたら、陽平が助手席のドアを開けて俺を中に促してくれた。
「ありがとう」
俺はエスコートされるみたいにして助手席に乗り込んだ。
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