チョコレート☆プレイ ■しおりを挿む
◆ ◆ ◆
俺は自分の部屋で、鞄の中に入れた箱を確認した。
一昨日がんばってラッピングしたやつや。
今日陽平に渡すねん。
いつ、どこで渡そうかな?
なんか知らんけど、今日は正太郎と別々であっちのマンションに行くらしい。
てことは…陽平と二人で車に乗るってことやん?
ほんなら、車の中でチョコレート渡してまうのもアリやん?
陽平の部屋に行ってしもたら、すぐにお取り込み中になるかもしれへんし。
……って、俺はなにを考えてるんや!
そんなことより、時計見たらもうすぐ陽平が来る時間やん。
久しぶりに助手席に座れるんやと思ったら胸がドキドキしてきた。
更にお尻がソワソワしてきたから、我慢できんと部屋を出て髪の毛弄りながら廊下を歩いてみる。
リビングで待つか靴履いて玄関で待つか迷ってたら、折よくインターホンが鳴った。
時間的に陽平以外にありえへんから、俺は相手も確認せんと勢いよくドアを開けた。
「おはよっ!……ん?」
そしたら目の前一面に広がる赤系の色と、噎せてまいそうな花の匂い。
なんやこの花束は…?
「琳? おはようございます」
「お前…アルか?」
花束が下がって現れた顔は、期待してた陽平やなくてアル。
「はい。お義母様にランチのご招待をいただきました」
えらい立派な花束の向こうにある碧い目が、すっと細まった。
なんでアルにはなんでも似合うんや…。
いくら白人は老けて見えるて言うたかて、こいつはまだ17歳やで?
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