チョコレート☆プレイ ■しおりを挿む
この感触…ちっちゃい時にクーピー削ったの思い出すわ。
クーピー知ってる?
色鉛筆の芯の塊みたいな、お絵描きに使う道具やで。
ろうそくみたいにツルツルしてんねん。
俺は朋ちゃんが満足気に頷いて正太郎のところに行ったことにも気付かんほど、夢中になってチョコレートを削った。
「よっしゃ、こんなもんやろ。って、朋ちゃんいてへんやん!」
「あ、終わった?」
「うん。見てみ、ええ感じやろ」
「上出来。じゃあ…」
朋ちゃんは俺に長々と次の指示を出して、オーブンの方に行ってしもた。
ちょっと第二の指令、多すぎひん?
チョコレートとバターを湯煎、小麦粉をふるう、クルミを切る、卵を溶くって。
こんなんいっぺんにしんどい…って顔してたら怒られた。
湯煎のお湯とかオーブンとかの、失敗か成功かを左右するデリケートな温度調整は朋ちゃんがやってくれてるらしい。
そういえばこのお湯、そないに熱くなさそうや。
温度計りながら沸かしたんかな?
ほんなら、冷めんうちにチョコレート溶かしてしまわんとあかんやん。
作業多いけど、とにかく一個ずつやらな終わらんわな!
俺は言われた順番に作業をこなしてった。
小麦粉ふるうんは、一回やったことあるから楽勝でできるし。
それが全部終わったら、次は言われた順番に材料を全部混ぜた。
あとはこれをオーブンで焼くだけらしい。
なんや、クッキーと違て型はあとから抜くんやな。
それやし寝かさんでええから、前よりはよ終われるわ。
なんかお菓子作るのっておもろいな。
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