年末年始 Extra サプライズ

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「陽平!」

「なに?」

「どこに行くつもりや」

「とりあえず家に。今日は泊ま…」

「あかんねん!」


 危ない、計画通りに実行せなあかんのに。


「なにがいけないの?」

「あのな…じ、実は今朝、正太郎から電話掛かってきてん。今日は陽平が帰ってくるから、四人で…ご飯食べよって」


 子供騙しみたいなサプライズの計画やろ?

 せやけど俺は、不服やけどアルが言うた通りにするしかないねん!

 既に、ホテルの人も巻き込んでしもてるみたいやしな!

 どうせアルのことやから、正太郎に会えるわーって、デレデレしながら考えたんやろ。


「…そう。なら、アルと正太郎がいるホテルへ行こうか」


 あれ?

 えらいあっさりしてるやん。

 長旅で疲れてるんかな?

 まぁええわ、騙されてくれるんやったら、それに越したことはないからな。


「えっと、確かTホテルだったよね?」

「うん。電車で行き方わかるで」

「なるほどね。でもここからなら、ホテル行きのリムジンバスがあるんだ」

「そうなんや!」


 すごいな、陽平はなんでも知ってるんや。

 秘書選手権とかあったら優勝やで。

 見た目も綺麗やし…。

 ふと、そんな陽平の綺麗な唇に視線が吸い寄せられた。

 相変わらず、冷たい唇なんかな…。

「なに? キスのおねだり?」

「…っな!」


 ここは空港やで!


「ふふっ、琳はやっぱり可愛いね。キスは後でね」


 陽平はいつもの調子で笑うと、俺の手首を掴んで歩き出した。




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