帰国した恋人との年始の過ごし方

しおりを挿む



 あれ、結構量があったんだよね…。


「漢字のプリント、僕も手伝おうか?」


 アルは、漢字はいっぱい覚えているものの、書くのは未だに苦手なんだ。

 そりゃ、アルファベットに比べたら細かくて複雑だからしょうがないよね。

 縦に長くなる漢字なんか、信じられないくらい汚い。

 よくプリントの大きなマスから、アルが書いた漢字がはみ出しているし。


「いいえ、自分でやり遂げます。…あまり正太郎に構えませんが、傍にいてくださいますか?」

「うん!隣で応援する」

「ありがとうございます」


 僕たちは繋がったままというおかしな状態で、明日以降の約束をした。

 だって、まさかアルが宿題をしていないなんてオチがあるなんて思わないもん。


「あ…言い忘れていました。ゴールデンウィークの間、正太郎をアメリカに連れていきたいと思っています。家族に正太郎を紹介します」

「えっ、うそ!っあ、あぁん、アル…待っ…、やだぁっ」


 なにこの二段オチ。

 しかも前触れもなく急に、ひどいよ!

 僕はアルに激しく揺さぶられながら、涙目でアルを睨んだ。


 -END-




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