帰国した恋人との年始の過ごし方 ■しおりを挿む
僕の膝裏を支えるアルの腕を掴んで、お尻をアルに押し付ける。
深呼吸しながらなんて、辛いだけなんだからね!
それに、死にたいぐらい恥ずかしいし!
アルのわからずや!
バカバカバカ!
「正太郎…」
必死になっていると、アルが僕の身体に倒れてきて、そのまま抱き締められた。
やっと、僕の気持ちが伝わったみたいだ。
「アル…愛してる。奥、まで来て」
「っ、わ、私も愛しています!」
アルが真っ赤になった。
余裕がなくて情けないアル、好きだなぁ。
他人がいたら見られない、特別なアル。
僕以外なら、たぶん牧野さんしか見られないと思う。
なんだかんだと揉めているうちに慣れてきたみたいで、あんなに苦しかった圧迫感も軽くなってきた。
アルは身体を起こして、改めて僕の足を支えた。
僕が息を吐くタイミングで、ゆっくり入ってくる。
「…っはぁ、すごい。おっきぃ、ね」
アルのが全部入りきると、すごく奥まで届くんだ。
僕はアルの首に腕を回して引き寄せた。
腕を広い背中に移動させて力を込めると、密着できるから。
「しばらく、このままがいいな…」
「辛くはないですか?」
「アルこそ」
「私は、正太郎の中を感じられて幸せです」
僕も幸せだ。
アルが傍にいることがこんなに大切なことだって、離れてみてやっとわかった。
今までアルに会えない日の方が少なかったから、アルに会えるのが当たり前のように感じてたんだ。
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