帰国した恋人との年始の過ごし方

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 公園内で食後の軽い散歩をしながら、正太郎を見下ろす。

 初詣に誘ってもらったが、明日にしたいと言ったら正太郎は怒るだろうか。

 欲望に直結しすぎていると呆れられるだろうか。

 だが、恐れてなにもしないでいると、成功するものも成功しない。

 言うだけ言ってみようか。

 だが、私には先にすべきことがある。


「正太郎、琳の電話番号を教えていただけませんか?」

「琳の?」

「ええ。正太郎に夢中になる前に、明日の計画を伝えておかなければなりません」


 正太郎は真っ赤になって、琳の電話番号を表示させた携帯電話を差し出してきた。

 それには、私が贈ったストラップが付いている。

 ダイヤモンドが美しく輝いているが、やはり正太郎の笑顔には敵わないな。

 私は、正太郎が寒くならないように懐に引き寄せて、琳に電話を掛けた。


「は、恥ずかしいよっ」

「誰もいません。それでも恥ずかしいのなら、私に密着していればいいのです」


 腕の中で身動ぐ正太郎の旋毛にキスをしたら、おとなしくなってくれた。


「…………………」


 なかなか出ない。

 忙しいのだろうか?

 だが、私はこれから初詣を明日にすることを提案して、正太郎をホテルに連れ込むつもりだから今しかない。


「琳は知らない番号だと警戒するから、僕の携帯から掛けるよ」


 諦めて電話を切ったら、すぐに正太郎が電話を掛けた。

 最近は物騒だから警戒する気持ちはわからなくもないが、掛かってきた電話を無視するのはどうかと思う…。


「あっ、琳。アルが琳に話をしたいって」


 苦笑いの正太郎から携帯電話を受け取る。


「こんにち…」




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