帰国した恋人との年始の過ごし方

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「何故、ダレンがこんな所にいるんだ」

「まだ母さんたちには話していないから、正太郎のことを大っぴらに話せないだろ?」

「…なんの用だ」


 クリスマスの日、お祖母様に正太郎の写真を見せた時にたまたまダレンも傍にいた。

 ダレンにも一応話だけはしていたし、口は堅い奴だから、と軽い気持ちで写真を見せたのだが…。


「俺、五月までに日本語をマスターしておくよ」

「わざわざマスターしなくとも、私が通訳をすると言っただろう!」

「嫌だよ。俺も正太郎と直接話したい。親密になるにはキスが一番だけどね」

「ダレン!」

「ジョークだよ。本気で怒らないでよ」

「笑えないジョークは言うな」


 何故ダレンが、正太郎にそこまで興味を持つんだ。

 正太郎はとても魅力的だから、わからなくもないが…。

 いや、関係ない!

 私の正太郎なのだから、誰にも渡さない。


「正太郎みたいな可愛い子がいるなら、俺も日本に行きたいな」

「来るのは勝手だが、正太郎に手を出そうなどとは思わないことだ」

「ほら、あの兄さんがこうなるんだから、正太郎に興味を持たないほうがおかしいよ。ねぇ、陽平」

「ふふっ…そうでございますね」


 あの兄さん、とはどういう意味だ。

 それに陽平も琳と付き合い始めてから変わったのだから、私のことを笑えないはずだ。

 だがその陽平のおかげで、予定より二日も早く正太郎の元へ帰れる。

 その事には心から感謝しているから、このような小さなことで文句は言えない。




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