Present for you. byアル

しおりを挿む



 ちなみに既製品では良い物がないので、私がデザインを起こして作らせた、世界に一つだけの品。

 ベースとなるシルクの生地にプラチナのチェーンを巻き付けただけという、一見シンプルなデザインだ。

 しかし、ディテールと素材に凝っている。

 中でも、さりげなく散りばめるダイヤモンドには特に妥協を許さず、0.2ctで、D color・Flawless・TripleExcellentを兼ね備えた石に限定。

 最高の輝きを、誰よりも愛する正太郎へ。

 自分の命よりも大切な正太郎への贈り物なのだから、この程度の拘りは当然だ。


「わあ……!」


 プレゼントの箱を開けた正太郎は、感嘆の声を上げながら中身を取り出した。

 携帯電話に繋ぐパーツを指に引っ掛け、装飾部分を手に乗せたり、照明を反射させたり、いろんな角度から観察している。

 最高品質のダイヤモンドの美しさが霞む程に綺麗な瞳を、キラキラと輝かせながら。


「気に入っていただけましたか?」

「……うん、すごく綺麗。ありがとう」


 正太郎はアクセサリーを箱に戻して、私に抱き付いてきた。


「僕もなにかプレゼントをしたいな。アルの欲しいものはなに?」


 ああ……本当に正太郎は、愛しい。

 毎日、笑顔という最高のプレゼントを私にくださっているのに、更に贈り物をしたいだなんて。

 私は、見上げてくる正太郎の顎に手を掛け、マシュマロのように甘く柔らかい唇を塞いだ。

 すぐさま中に舌を差し入れ、正太郎の可愛いそれを味わいたいところだが、ひとまず解放する。

 そして、華奢な身体を少々強めに抱き締めた。

 正太郎に、私の胸の内にある、溢れんばかりの愛を囁くために。


 -END-




- 2/2 -

[≪prev | next≫]



 ←Series Top





「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -