プレゼント交換バトル ■しおりを挿む
あ、これはほんまにブドウジュースやねんで。
俺が実際に飲んで確認したから、間違いない。
悪いんは、ワインみたいなボトルとワイングラスと陽平の色気や。
「せやろ! でも陽平かて、あとちょっとやん。アルはまだまだやけどな」
「枚数が多いからって油断できないよ? アルがこれから巻き返して、琳が負けるかもしれないし」
まぁ確かに手持ちが多いってことは、引いたカードの大抵が揃うってことや。
アルは実際に、俺と陽平と正太郎、三人分の手持ちカードの枚数ぐらい持ってるしな。
当面は引いたら捨てるの繰り返しやろ。
せやけど、俺はあと一枚なんやで?
アルがリーチかける前に何回もチャンスがあるんやから、少なくともアルには勝てるはずや!
…………アルには勝てるはず……なん、やけど。
「アル、すごーい! 逆転優勝だよ!」
「あ……ありがとうございます」
正太郎が満面の笑みで拍手してるけど、アルは複雑な表情でいてる。
そらそうやろな、正太郎を勝たそう思てがんばってたんやから。
ていうか……なんでや。
なんで、あと一枚が揃わんねん。
さっきまで優勝に一番近かった俺を差し置いて、一番遠かったアルが優勝してしもたやんか!
しかも、知らん間に陽平も正太郎もリーチになってるし!
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