プレゼント交換バトル

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 あ、これはほんまにブドウジュースやねんで。

 俺が実際に飲んで確認したから、間違いない。

 悪いんは、ワインみたいなボトルとワイングラスと陽平の色気や。


「せやろ! でも陽平かて、あとちょっとやん。アルはまだまだやけどな」

「枚数が多いからって油断できないよ? アルがこれから巻き返して、琳が負けるかもしれないし」


 まぁ確かに手持ちが多いってことは、引いたカードの大抵が揃うってことや。

 アルは実際に、俺と陽平と正太郎、三人分の手持ちカードの枚数ぐらい持ってるしな。

 当面は引いたら捨てるの繰り返しやろ。

 せやけど、俺はあと一枚なんやで?

 アルがリーチかける前に何回もチャンスがあるんやから、少なくともアルには勝てるはずや!





 …………アルには勝てるはず……なん、やけど。


「アル、すごーい! 逆転優勝だよ!」

「あ……ありがとうございます」


 正太郎が満面の笑みで拍手してるけど、アルは複雑な表情でいてる。

 そらそうやろな、正太郎を勝たそう思てがんばってたんやから。

 ていうか……なんでや。

 なんで、あと一枚が揃わんねん。

 さっきまで優勝に一番近かった俺を差し置いて、一番遠かったアルが優勝してしもたやんか!

 しかも、知らん間に陽平も正太郎もリーチになってるし!




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