プレゼント交換バトル

しおりを挿む



 アルが正太郎にヒントをあげるつもりでわざとデタラメに開いたんが、正太郎より先に回ってくる俺の得になったりしたんや。

 その結果なんと、俺は二位になれてん!

 ……優勝したんは陽平やけどな。

 でもええんや!

 やっと楽しくなってきた感じがするし!


「はい、琳の番だよ」

「ん」


 俺はクリームチーズと生ハムの乗ったクラッカーを食べながら、陽平からカードを一枚引いた。


「……よっしゃ、揃ったで!」


 これで手持ちカードが二枚になって、次に正太郎が引いたら一枚やから……もう俺の勝ちや!

 ああ……ババ抜きをジジ抜きにしたんは、ほんまに正解やった。

 わざと正太郎を勝たそう思ても、アルはどないもできひんねんからな!

 さっきかて、正太郎が揃わんかったカードをアルが引いたんやけど、一周したら違うマークの同じ数字が正太郎に回ったんや。

 唇尖らせながら『さっきのが残ってたら揃ったのに』って悔しがる正太郎の横で、アルも一緒にヘコんどった。

 つまり、アルが気を利かせたつもりで引いたカードはジョーカーやなかった、ってことやな!

 ざまあみろ、や!

 イカサマ接待ゲームみたいなもんは、滅びる運命なんや!


「琳、調子いいね」


 上がったテンションのままチキンにかぶり付いたら、陽平がワインにしか見えへんブドウジュースを飲みながら話し掛けてきた。




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