プレゼント交換バトル

しおりを挿む



「……琳。アルを正太郎から引き離すのは不可能だよ」


 どないかしてアルと正太郎を引き離されへんやろかって考えてたら、エレベーターが停まったタイミングで陽平が振り返って囁いてきた。


「な、なんでわかったんや」

「琳の考えていることぐらい、顔を見ればすぐにわかるよ」


 ……やっぱりこいつ、小さい頃に宇宙人に捕まって、改造されてきたんとちゃうか。

 そのうち目からビームとか出してきたらどないしよ。

 俺、陽平のこと止められるやろか……。

 ムートンのふわふわしたスリッパの履き心地を確かめながら、俺は陽平を羽交い締めにするイメトレを始めた。

 ほんなら、陽平が「やれやれ」とか呟きながら、俺の背中を押してくる。

 更に、耳元へ口を近付けてきて……。


「……目からビームなんて、出さないから」

「なー!?」


 陽平が、また俺の思考を読み取りよった!

 信じられへん!

 瞠目して陽平の顔を見たら、陽平は呆れたような目で俺を一瞥して溜め息を吐いた。


「くだらないことを考える暇があるなら、ルール変更でも考えたら? 例えばジジ抜きにするとか」

「あっ、それええやん!」


 陽平ってほんまに頭ええな……さすが飛び級で大学出た奴は違うわ。

 俺は早速、ニコニコしながら俺らのやり取りを眺めてる正太郎に、ジジ抜きを提案することにした。




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