俺らの交際宣言

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 スパーン!て俺の頭がええ音鳴らした。

 受験生の頭はたくって、えらい酷いおかんやで。


「あんた、さっきの話聞いてへんかったんやろ!
 来年からお父さんがドイツ行くんやで!」

「…あ?」

「もう、こんなアホな息子でお母さんどないしたらええんやろ。
 勉強できたら偉いんとちゃうんやで!」


 さっきの話…。

 ドイツか、ドイツといえばドイツ3大Bやな。

 音楽祭やな…あぁ、魅力的や。

 実は俺、クラシック好きやねん。

 ちなみに今ハマってるんはドヴォルザークの交響曲第八番やねんけど。

 第四楽章もええけど、俺は第三楽章で痺れる。


「…ちゃうねん!」

「なんやのいきなり。ピーピー騒ぎな、近所迷惑や」

「おかんもドイツ行ったらええやん」

「え…?」


 おかんはちょっとびっくりして、おとんに電話を掛けだした。

 この家をどないするかが問題らしいけど、もう俺の心は関東や!


「琳、お母さんはええとしてもあんたはどないするんや?
 今早とちりして家の心配したけど、あんた大学に受かってすらないやないの!」

「受かる!」

「独り暮らしするんか?」

「近々関東行くわ。正太郎の近所に住む」




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