俺らの交際宣言

しおりを挿む


 おかんがいつまでも何か言うてたけど、俺はそない真剣には聞いてなかった。

 うるさいおかんをなんとか追い出して、俺はパンツを洗い始める。


「あー、正太郎に会いたいな…」


 夢の中の正太郎は、俺に傍におってほしいとせがんできた。

 ええよって答えたのに、琳は関西から出る気ないくせに!って泣かれた。

 せやな…就職活動は関東狙っていこかな。

 ほんなら正太郎と同棲とかして…。


「ちゃうやん!」


 俺、まだ大学にすら行ってないやん!

 就職活動てどんだけ先の話やねん!

 それやし、大学は関西にしかないわけやない!

 ごめん、正太郎!俺が悪かった!

 正太郎が夢に出てきてくれたおかげで目ぇ覚めたで!

 慌ててパンツを洗濯機にダンクシュートして、居間のドアをバーンッと開ける。


「なんやの、やかましい子やな」


 朝から煎餅食いながらテレビて…典型的なおかんやな!


「おかん!俺、T大受けるわ!」

「は? なに言うてんのあんたは。まだ朝やで」

「せやから、べつに関西やなくてもええって話や!」

「そんなことしたら、一家離散やないの。アホなこと言いなや」

「夫婦水入らずで結構な話やんか」




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